よい子わるい子ふつうの子

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

2013/12/07(土) 23:27:42

  「無関心は権力者、統治者への静かな支持である。」 ――ウラジーミル・レーニン

特定秘密保護法案の採決をめぐり、このところごたごたが続いておりました。

私自身は反対ではありますが、それは法案の中身というより成立過程の問題だったのでその話はいったん措くことにしまして、気になったのは「マスメディア」の影響力の無さ。新聞、TVを中心に結構「煽って」いた感じがあったんですが、あんまり乗ってる人いなかったなぁと。それとも、私が見ていた範囲が特殊だったのでしょうか。

「煽って」いた部分については、メディアですから仕方ないというか、「知る権利」を掲げて本法案に反対するのは当然でしょう。しかし、正直効果があったのかはよくわかりません。御茶ノ水で署名を集めていた人たちは、「マスコミと協力して〜」などと呼びかけていましたが、残念ながら立ち止まっている人をほとんどみかけませんでした。

今回の法案が通ったことで分かりやすく不利益が直撃するのはマスメディアのはずです(そういう視点はどうなの? と言われるかもしれませんけれど)。なんせ、「情報」を商売にしているのですから。つまり、メディアが呼びかける危機感に対する国民の冷たい反応というのは、そのままメディアへの反応の温度でもある――より直截的に言えば、「私たちメディアが提供しているこういう情報も、今後見られなくなるかもしれませんよ!」という呼びかけに、「別にTVや新聞から入ってくる情報が制限されても良いし」という冷たい反応を返されたということでもあるはず。

マス(大衆)を標榜する以上これはまずいというか、どちらかといえばこういう重要な法案を前にして力を発揮してこそナンボではないのかと思うのですが、多くの国民に届く声を発することのできたマスメディアが、果たしてどれだけあったのか。

いやいや、沢山の人が動いていたし、デモもあった、と言われるかもしれません。しかし、彼らは別にマスメディアが煽らなくても動いた人たちでしょう。

だからといって別に、デモをしろとか呼びかけろと言っているわけではありませんよ。ただ、国民がこの法案についてしっかり判断できるような「真実」を遺漏なく伝えれば良い。そのうえで、自分たちの立場を述べる。報道の中立性とメッセージ性は同居可能です。

アジテーションやらセンセーショナルな見出し、深刻そうな表情など必要ありません。その程度の基本中の基本ができていないのにデコレーションばかり派手にするから、誰も動かないんだろうと思います。見限られているというべきか。

彼らが深刻な顔で、TVカメラの前で発言することばを、彼ら自身が本当に信じているならば、なぜマスメディアは自分たちのメディア生命を賭けてでも法案成立をとめるべく動かないのでしょう。あるいは、ニュースの枠を拡大し、バラエティを取りやめてでも特集を組んで「立ち向かう」ことをしないのはなぜなのでしょう。

ビートたけしが、こんなことを言っています。

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 まァ、わざわざ「ナチス」なんて言葉を持ち出してくる麻生さんも不用意だけど、もっと解せないのは朝日新聞やらがこのニュースを海外に向けて大々的に発信して責めるという図式だよ。
 政策の問題点やら、公共事業のムダ遣いやら、キチンとした政権批判はジャンジャンやればいい。だけどこれについては、ただ単にニッポンの恥を拡散して喜んでる感じがして珍妙なんだよな。新聞はそれで嬉しいのかねェ。
(ビートたけし『ヒンシュクの達人』)
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内容について諸手を上げて賛成というわけにはいきませんが、最後の「新聞はそれで嬉しいのかねェ」というのは、割りと本質をついたひとことのように、私には思われる。新聞にかぎらずいまのメディアというのは、「誰のために」存在しているのか、その基板がどうもあやふやに見える。

もっといえば、いまのマスメディアは「マス」のために報道をしているのかどうか。今回の件も、「国民にとって問題だ」と言っておきながら、自分たちはまるで「対岸の火事」を見るかのように動いているように思えてなりません。

最初の方に、「不利益が直撃する」という話をしましたが、まさに彼らは「不利益」程度にしか考えていないのかもしれない。彼らは国民でも国家でもない「マスメディア」という第三勢力であり、法案のことはせいぜい飯の種くらいにしか考えていない、というのが正直なところではないでしょうか(すべての番組をチェックしているわけではないので、事実誤認や例外があったらごめんなさい)。国民にとって真に何が問題なのかを掘り下げ、説得的に伝えることができていないし、やる気もないのかもしれない。

実際、今日は早速ワールドカップがトップニュースになっていましたし。もうそっちに移っちゃうのね、という。

そしてそのような腰の定まらなさゆえに、多くの人の信頼を失い、同時に「力」も失ってしまった。

『大唐新語』のエピソードを何となく思い出します。

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唐臨為大理卿,初蒞職,斷一死囚。先時坐死者十餘人,皆他官所斷。會太宗幸寺,親錄囚徒。他官所斷死囚,稱冤不已。臨所斷者,嘿而無言。太宗怪之,問其故,囚對曰:「唐卿斷臣,必無枉濫,所以絕意。」太宗歎息久之,曰:「為獄固當若是。」

(大意)
唐臨が大理(司法)長官となって初めて裁判に臨み、一人に死刑判決を出した。それまでには過去の長官が裁いた死刑囚が十数人いた。たまたま太宗(この時の皇帝)が立ち寄って、刑罰に誤りが無いか点検していると、その十数人はみな冤罪を訴えたが、唐臨に裁かれた一人だけは黙ったままだった。訝しんだ太宗が理由を訊ねると、その者はこう答えた。「唐長官が私を裁いたのですから、私欲を交えず法に沿った判決のはずです。ですから、抗弁をあきらめました」太宗はため息をついて、言った。「裁判というのはかくあるべきだ」
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ある判断に人びとが心から納得するのは、誰もが納得できる「法」にきちんと従っているからだ、という感じのお話です。もちろんこの話は唐臨の優秀さを物語るものではあるのですが、同時に、「民」というのは自分たちにはたらきかけてくる相手が、私利私欲に基いているかそうでないかを見分ける力をもっている、ということも語っていると思う。

マスメディアが力を失ったのは、愚かな大衆のせいなどではなく、その大衆に見透かされているメディア側の問題というのが大きいのではないかなぁ。

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2013/12/04(水) 21:59:07

レーシック手術(視力回復手術)について、消費者庁が警鐘を鳴らしているそうで。

眼鏡をつけているけれどメガネフェチではない私からすると、「眼鏡をつけなくて良い」というのは非常に魅力的。じゃあコンタクトでいいじゃんって言われそうですけど、別におしゃれのためとかではなくて、単に眼鏡はつけはずしが面倒だからイヤなのであって、コンタクトなんかもっと手間がかかるから余計イヤです(笑)。

しかし、レーシックは新しい技術だけあってやっぱり問題が多いんでしょうかねぇ。報道では消費者庁の呼びかけについて、次のように言われていました。

 ▼「レーシック手術に注意呼びかけ 消費者庁」(NHK NEWS web)

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レーシック手術に注意呼びかけ 消費者庁
12月4日 17時42分

目の視力を向上させるレーシックの手術で、光がにじむようになるなどの被害が相次いでいるとして、消費者庁が注意を呼びかけています。

視力を向上させるレーシックの手術で目に何らかの被害を受けたという報告が、消費者庁には先月までの4年半ほどの間に、全国から80件寄せられています。

被害の内容で最も多かったのは、視力が矯正されすぎて遠視になったというもので、このほか、目に激しい痛みを感じたケースや、1時間に数回、目薬をさすようになったケースなどもあったということです。

こうしたことを受けて、消費者庁が先月、手術を受けた600人を対象に行ったアンケート調査でも、4割余りの人が、手術後に光がにじんだとか暗いところで物が見えにくくなったなどの不具合を訴えたということです。

こうした背景には、手術後に起きうる後遺症について、医療機関があらかじめ十分な説明を行っていないことがあるとみて、消費者庁は、レーシックの手術を受ける際にはしっかりとした説明を受けるよう呼びかけています。

また、この問題について、医療被害を扱う弁護士のグループが今月21日の午前9時15分から午後5時まで、専門の電話相談を行うことにしています。番号は03−6869−8391です。 
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私の知人でレーシック手術をした人がいますが、3人やって3人とも成功。言うほどひどいものでもないのでは……と思っていましたが、4割がトラブルを抱えているとなると、これは笑えません。

特に目というのは、人間の情報取得器官として最も頼りになる部分の一つですから、それがやられるというのはちょっとぞっとしない。エロゲーできなくなりそうですし!

しかし、コンタクトレンズもでた頃はいろいろ問題抱えてましたし、昔の通気性悪いコンタクトつけていたせいで目玉が浮き上がってくるなどのトラブルを抱えた人もいます。こういう技術は、表現が悪いですが「人柱」の上に成り立つものなのかもしれません。実際にやってみて、経験値を積まないとわからないこともありますからねぇ……。

しかしながら、それに巻き込まれた側からすれば冗談ではないわけで、せめてきちんとした説明や保障は求めたいところ。「医療機関があらかじめ十分な説明を行っていない」ということですから、「騙し討ち」はよろしくない。

レーシックの技術自体はこれからも発展していってほしいと思いますが、やり方のほうはいろいろ考えて欲しいなぁと思います。ちょっとやってみようかなぁとか思っていただけに、こういうニュースが来て踏みとどまることができて良かったんだかどうなんだか……。

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2013/12/01(日) 14:54:12

なんか、法隆寺に落書きした輩がいたようで……。

▼「法隆寺土塀に落書き 「殺すぞボケ」「ヒマやね」」(東京新聞)

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法隆寺土塀に落書き 「殺すぞボケ」「ヒマやね」
2013年11月27日 夕刊

 世界遺産・法隆寺(奈良県斑鳩(いかるが)町)の国重要文化財の土塀「西院大垣(さいいんおおがき)」に、「殺すぞボケ」「ヒマやね」と刻んだ落書きが見つかったことが二十七日、奈良県教育委員会への取材で分かった。
 西院大垣は国宝の五重塔や金堂のある「西院伽藍(がらん)」の東南西の三方向を囲む築地塀。落書きされたのは西面(高さ約三・五メートル、長さ約七十メートル)で、地上から約一メートル付近に二つの落書きがあった。ドライバーなど先のとがったもので引っかいたとみられ深さは最大約六ミリ。
 西院大垣は、土を重ねては突き固める「版築」と呼ばれる工法で作られており、塗り直すことはできない。県教委は「落書きを消すには周りを削ることになり、直すのは非常に難しい」と話し、今後は目立たなくする方向で修理を検討する。
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「深さは最大約六ミリ」って、かなりがっつり彫ってますねぇ……。なんというか残念です。記事の写真を見る限り、「目立たなくする」ことはできるのでしょうが、修復は難しいとのこと。

もちろん落書きがあったからといって文化的な価値が損なわれるとかそういうことはおそらくありませんし、だったらこんなことに目くじら立てなくて良いという考えもあるのかもしれません。

しかし、こういう本当に「どうでもいい」行為の対象にしてしまうというのは、何というか連綿と続いてきた文化に対して一番失礼な気がします。火をつけて燃やすほうがマシだとか言うつもりは無いけれど、たぶん書いた人は本当に価値を認めてないんだろうなぁ……。

別に歴史や伝統といったものを、何でもかんでも持ち上げれば良いとは思わないけれど、私たちが拠って立つところの文化というものに最低限の敬意というのは払われてもいいのではないかと思う次第です。

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2013/11/23(土) 06:04:07

まとめサイトで取り上げられていたんですけど、感心したのでこれ。

 ▼「カタカナひらがな7文字で人の顔のAA出来たったwwwwwwww

カナ顔文字

 ミミミ
 ど う
  こノ

おお……。地味に顔の部分が「どうこノ」という意味ありげな並びになってるのも良いですね。

当該スレではいろんなバリエーションが開発されたようで、

AA2
ハゲみたいな面白いのもありましたけど、やっぱりカタカナ・ひらがなだけで描けるという元のAAのシンプルなインパクトと魅力には勝てない気がします。

 ミミミ
 ど う
  てイ

下を「どうてイ」に すると、ちょっと横向いてタバコくわえてるみたいな感じになるというのはナルホド。これは割りとアリ。

いやあ、上手いですね。ホントに昨日開発されたのか、もっと前から使われていたけどはやってなかっただけなのか判りませんけど、描くの簡単だし、かなりキチンと顔に見えるのが凄い。

問題は、どんなシチュエーションでこれ使うのかっていうところでしょうか。

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2013/11/17(日) 23:57:12

ツイッターをぼんやり眺めていたら、「本当にバカだな」みたいな文脈で、次のツイートが回ってきました。



問題となったのは、「ゆとり教育」という表記。これについてある方が、「教育指導要領が変わった」という主張によって、「秒刊サンデー」さんを非難しておられました。




たしかに「ゆとり教育」という名付けは教育指導要領にもとづいてなされており、義務教育である小中学校では2002年度、高校はそれより1年遅れた2003年度に施行された学習指導要領で行われた教育のことを指す、というのが一般的です。しかしそれなら、いまの小学生を一概に「ゆとり教育を受けていない」とは言いづらい。

 ▼参考:「マイナビニュース

-----引用-----
ゆとり世代は1987年から2004年生まれで、2002年度に行われた学習指導要領による「ゆとり教育」を受けた世代です。学校の授業は週5日が基本で、昭和の好景気を知らない世代でデフレ思考にあります。幼少期が情報化社会の成長時期にあたるために、携帯端末などの通信機器が手放せない傾向にあります。
--------------

ちなみに、「秒刊サンデー」を批判しておられる方は「今の高校2年から学習指導要領が変わった」と言っておられますが、高校は教育指導要領の改正が1年遅れており、本年度(2013年度)からの変更です。なので、いまの高1からの改正です(※高等学校は学年進行なので、施行された年の1年生から適用されます)。

まあ道徳の授業がどうこうという話をして「ゆとり教育」云々につなげようという議論は確かにおかしいようにも見えるのですが、小学校であれば2010年度まで、中学校は2011年度まで「ゆとり教育」は行われています。

したがって、ここに見えている「女子小学生」が小学校高学年であった場合、一応低学年の頃に「ゆとり教育」は受けている計算になります(「完全な」ではありませんが)。

というかこの批判をした人は、「ゆとり世代」と「ゆとり教育」を明らかに混同して使っておられるんですよね。「ゆとり世代」と言った場合、「ゆとり教育」を受けたかどうかだけではなく、そこに一定の共通する性質があるかどうかを問題にしている場合があります(ゆとり教育を受けていても「ゆとり世代」とは言わない可能性もある)。

 ▼参考:「ゆとり世代の活かし方」(MS-JAPAN)

-----引用-----
ゆとり世代とは、一般的に初等教育および中等教育 (中学校および高等学校またはそれに準ずる中高一貫校に代表される中等教育学校等における教育) においてゆとり教育を受けた世代に対し、一定の共通した特性を持つとして設けられる区分けのことを指します。ゆとり世代の対象者は1987年4月2日〜1996年4月1日に生まれた方々が該当となります。 (2011.7.11現在15〜24歳)
--------------

別に私は、ゆとり教育の定義やら知識を云々したいわけではありません。ただ、「ゆとり教育」を受けていたからこの小学生には道徳心が不十分なのではないか、という「秒刊サンデー」氏の揶揄に対して、「ゆとり世代ではない」とか、「ゆとり教育を受けていない」といった反論は、おそらく不適切であろうと思われます。

にもかかわらず、この手の「反論」が事実であるかのようにあちこちで(まあ私が見た限りですけれど)取り沙汰され、しかもそれに対して、ほとんど異論が出ていなかったのが不思議です。

こういった、事実関係がおかしいようにも思われることが、まことしやかに受け容れられる問題というのは、「デマ」騒ぎの時にもよく目にしました。今回の件に限って言えば、よく知らないことを調べもせずに、他人の言説を証拠と受け取って知ったかぶりをすることから生じたのではないかと思います。

この辺の話は私にもブーメランとして返ってくるので、あんまり偉そうなことを言えないのですが……。

たとえば、誰かが「ゆとり教育の定義というのはこういうものなのだ」と自信満々に言っていて、特に反論らしい反論を誰もしていなければ、それを正しいものだと信じてしまう。自分が知らないことなのだったら、ちょっとググるなりすれば済むはずなのに、その一手間を惜しむ。

あるいは、手間を惜しんでいるというより「他の人」への信頼が高いのかもしれません。間違ったことであれば、誰かが指摘するはずだ、という。そして、指摘が目にはいらない以上、その言説は正しいのだと考えてしまう。そういう思考回路が働いているのかもしれない。そして、そういう不正確なレベルの情報でも「自分のもの」にして使おうという功名心みたいなものもある。

ですから、できることなら私たちは、「わからないことはわからない、知らないことは知らない」という謙虚さを持って読んだり書いたりするのが望ましいと思います。そうすれば、せめて事実関係くらいはある程度信頼できるソースを確認することができる気がする。その結果間違えたら仕方がないけれど、最初から見切り発車と思い込みで間違ったことを言うみたいに、功を焦って失敗したら、やっぱり恥ずかしいじゃありませんか。

いずれにしても今回の件は、「秒刊サンデー」さんの発言も、それに対する反論も、「それらしい憶測」だよなぁという印象。最近の女子小学生マナーについて語るその語り方が、「最近のネット言説のマナー」を思わせるあたり、なかなか皮肉なことだなと思ったのでした。

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2013/11/14(木) 22:09:05

これはひどい……。

 ▼「教え子に「好きです」千通 LINEで高校教諭処分」(西日本新聞)

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教え子に「好きです」千通 LINEで高校教諭処分
2013年11月14日(最終更新 2013年11月14日 13時14分)

 愛知県教育委員会は14日、瀬戸市の公立高校の男性英語教諭(46)が無料通信アプリLINE(ライン)を使い、教え子の女子生徒に「好きです」と好意を伝えるメッセージを1カ月間に千通送ったなどとして、停職3カ月の懲戒処分にした。教諭は15日付で依願退職する。

 県教委によると教諭は8月19日から約1カ月間、LINEのメッセージに「いつもきれいだよ」などと約千通送信。別の生徒名を挙げて「試験で赤点を取る迷惑なやつだ」と漏らすなど守秘義務にも違反した。
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守秘義務違反もさることながら、「好意を伝えるメッセージを1カ月間に千通」って、完全にストーカーでおまんがな……。コナン君がいたら大事件コース間違いなし。

とりあえずこの先生は、欲求不満を慰めるべく、主人公が教師で、学生と懇ろになるエロゲーをなさるのがよろしいでしょう。

そうですね、生徒への依存が見受けられますので、『天色*アイルノーツ』よりは『遥かに仰ぎ、麗しの』、もっとストレートに肉欲に行くなら『フリフレ』あたり。

それとも、『英才狂育』とかそっち系が良かったでしょうか?

ってな感じで、エロゲー療法の処方箋を誰かが出してあげれ良かったのかもしれません。

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2013/11/13(水) 20:02:29

炎上は炎上でも、物理的炎上。ネタかと思ったらどうやらマジのようで……。

 ▼「豪ボーダフォン店舗で「iPad Air」が爆発炎上」(msn産経ニュース)

-----引用開始-----
豪ボーダフォン店舗で「iPad Air」が爆発炎上
2013.11.13 13:38 (1/2ページ)[アップル]

 オーストラリアのキャンベラにあるボーダフォンの店舗で、「iPad Air」が爆発して炎上した。けが人はなかったが、アップルが装置を回収して調査している。

 どのような新製品でも、特にハイテク業界においては、発売から最初の数週間でさまざまなバグや問題に遭遇するのは珍しいことではない。たいていはパッチや更新、交換で解決されるわけだが、オーストラリアのキャンベラにあるボーダフォンの店舗で起きた「iPad Airの爆発」(リンク先に画像あり)には、ファームウェアの更新以上のもっとしっかりした対策が必要のようだ。

 ボーダフォンによると、399英ポンド(32GBモデル)のタブレットが「爆発して炎上」し、人々が建物から避難。消防隊が呼ばれて火は安全に消し止められたという。ノートパソコンやスマートフォン、タブレットの爆発はこれまでにも報告されているが、普通は安価で質の悪いサードパーティー製の充電器やバッテリーを使用するという軽率な行為によるもので、そのような器材が公式店舗で使われていたとは考えにくい。

 来店者や従業員にけがはなかったが、問題のiPadは完全に破壊され、あとには激しくひびが入った画面と、焦げて歪んだ金属フレームが残った。

 爆発後間もなく、アップルの社員が到着して装置を回収したという複数の報告がある。不具合の原因を調査するためだと思われるが、アップルはこの不具合をまだ正式に認めていない。
-----引用終了-----

ipadair爆発
Vodafoneストアで爆発炎上したiPad Airの写真。

なお、元の記事はこちら。

 ▼「Vodafone store evacuated after iPad explodes

元記事のほうでは「デモモデル」が爆発したと書いてありますので、いきなりぶっ飛んだわけではなくて店で使ってる奴が爆発したんですね。ということはiPad Airの問題なのか、店舗側の問題なのかはっきりとはわかりません。「そのような(※安価で質の悪いサードパーティー製の)器材が公式店舗で使われていたとは考えにくい。」と産経は書いていますが、それをいうなら同じ理屈で「世界で何万台売り上げているiPadの問題というほうが考えにくい」とか言えてしまうでしょう。

また、元記事の末尾は「Apple has refused to respond to News.com.au's requests for comments.」(アップル社は「News.com.au」のコメント要求に沈黙を貫いている)。これを「不具合をまだ正式に認めていない」と事実そのものを否定しているかのような言い方に変えている産経の書き方は、多少悪意を感じないでもないのですが、まあどういう事情があるにせよ、こんな黒焦げになるくらいの爆発が起きたというのは結構問題といえば問題。

爆発は中国の十八番だと思っていたのですが、意外な伏兵があらわれてしまいましたね……(そういう問題じゃない)。

とりあえず、原因がとっとと究明されることを祈っております。私はiPad使いじゃないけれど、普段携帯しているような電子機器がこんなことになったらと思うと、ちょっと洒落になりませんからねぇ……。

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2013/11/10(日) 23:30:24

うーん、産地偽装とかの偽装表記問題、ガンガン広がってますね……。

 ▼「奈良県、旅館「三笠」に聞き取り メニュー産地偽装で」(日本経済新聞)

-----引用開始-----
奈良県、旅館「三笠」に聞き取り メニュー産地偽装で
2013/11/5 12:20 (2013/11/5 13:08更新)

 近鉄系の旅館「奈良 万葉若草の宿 三笠」(奈良市)が食材の産地などの表示を偽装していた問題で、奈良県は5日、川越吉晃総支配人から聞き取り調査をし説明を受けた。

 県はさらに詳しい報告を求め、三笠側は今週中に回答したいと応じた。県は今後、メニューの偽装や虚偽表示について、景品表示法が禁止している、実際のものより優良と表示する「優良誤認」などに該当しないか調べる。

 午前9時ごろ、川越総支配人が県庁を訪れ、食品表示を担当するくらし創造部の山菅善宣次長と面会。総支配人は「不適切な表示があった。ご迷惑をかけ、おわび申し上げます」と述べた。

 三笠は外国産の鶏肉を大和肉鶏と表示するなどして旅館で提供。おせち料理の宅配販売では「からすみ」や「車海老」と表示しながら、実際はタラやサメの卵を使った模造品やブラックタイガーを使用するなど、10種類で偽装や虚偽表示が判明している。〔共同〕
-----引用終了-----

他にもこんなのが。

 ▼「イカの塩辛も虚偽表示 瀬戸内・産地偽装、逮捕の社長」(山陽新聞)

-----引用開始-----
イカの塩辛も虚偽表示 瀬戸内・産地偽装、逮捕の社長

 魚介類販売業「栄光水産」(瀬戸内市邑久町北島)による産地偽装事件で、不正競争防止法違反容疑で逮捕された社長の山下寿幸容疑者(57)が、農産物直売所・産直市場おく(同町尾張)で「当店手作り」として売っていたイカの塩辛について、「青森県の業者が加工したパック詰めを安価に仕入れ、トレーに移し換えて店頭に並べた」と、新たな虚偽表示販売を認める供述をしていることが8日、捜査関係者への取材で分かった。

 岡山県警生活環境課と瀬戸内署は、不正競争防止法を所管する経済産業省と協議。山下容疑者の製造方法を偽った行為も同法が定める「虚偽表示」に当たるとの判断を受け、立件する方針を固めた。

 捜査、店舗関係者によると、塩辛は青森県の水産業者が北海道沖などで捕れたイカを加工して真空パックに詰めたもので、山下容疑者は岡山市の卸売業者から購入。仕入れ後は数百グラムをトレーに移し換え、「当店手作り」とのラベルを貼って約2倍の値段の1個350円前後で販売していたとされる。

 卸売業者は、山陽新聞社の取材に「9年ほど前から取引があるが、手作りと偽っていたとは知らなかった」とし、直売所の元従業員は「人気商品で、補充のためパックのまま駐車場の冷凍冷蔵車から店内に持ち込んで、他の従業員に『手作りじゃないのがバレる』と注意されたこともある」と証言している。

 県警は、韓国産アナゴを国産と偽ったとして逮捕した山下容疑者と妻の同社役員幸恵容疑者(48)の調べを進めており、直売所で行われていた偽装行為の実態解明を急ぐ。


(2013/11/9 8:31)
-----引用終了-----

ここ一週間ほどでもう数え切れないくらいの「偽装」が発覚して、いかに食品業界が信用ならないところかというのがわかると同時に、私たちの舌ってのもアテにならないなぁという気持ちがおさえられません。

というか、いまぞろぞろ出てきているのは自己申告だとして、最初のはどうやってバレたんでしょうね。やっぱり内部リークなんでしょうか。

実際問題こういうのって食べ比べとかしたら判るんでしょうか。少なくとも、素人がぱっと食べただけでは全然わからないからみんなこれだけ騙されてるわけですよね。絶対いると思うんですよ。「さすが○○の車海老だな!」とか言いながら、ブラックタイガー食べてた人……。

いいかわるいかで言えばもちろんわるいに決まってますけれども、客の方もダマされないよう自分を磨きたいところ。もしくは、そんなにはっきり区別できないほど味が似ているものなんでしょうか。それならそれで、おいしくいただきますけれども(笑)。

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2013/11/07(木) 22:04:16

歴史に残る大熱戦の日本シリーズが終わり、プロ野球もオフシーズンに。驚異的な視聴率や、タクシーに乗っても食堂に行っても野球の話題ばかり。オリンピックもかくやという状態で、日本人にとって「プロ野球」はやっぱり特別なスポーツなんだなぁと改めて思い知らされた一週間でした。

さてそんな中、日本一に輝いた東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地の命名権が売りに出されるというお話。

 ▼「「Kスタ」年内で終了 宮城県、命名権公募を開始」(河北新報)

-----引用開始-----
「Kスタ」年内で終了 宮城県、命名権公募を開始

 宮城県は5日、プロ野球東北楽天の本拠地、県営宮城球場(仙台市宮城野区)の愛称の命名権(ネーミングライツ)について、新たな取得企業を公募することを正式発表した。現在命名権を持つ製紙大手の日本製紙(東京)が、12月いっぱいで満了する契約の更新を見送った。ファンに定着した愛称「日本製紙クリネックススタジアム宮城」(Kスタ宮城)の使用は年内限りとなる。
 村井嘉浩知事が定例記者会見で公募開始を発表した。日本製紙に対しては「円高の苦しい状況にある中、東日本大震災が起きて石巻工場が被災したが、『約束したことだから』と契約を継続してくれた。近いうちに会社を訪問し、感謝を申し上げたい」と述べた。
 日本製紙は2008年1月から年2億5000万円の3年契約で命名権を取得。11年からは年2億円の3年契約を結んでいた。
 同社広報室は「当初の目的だった地域貢献や社会貢献を一定程度果たせた。県民やファンの皆さんには愛称に親しみを持ってもらい、感謝している」と説明した。
 県と楽天野球団は、12月4日まで命名権取得の応募を受け付ける。契約期間は14年1月から3年以上、契約金額は年2億円以上。愛称には「宮城」を付けることが条件。
 応募があれば、県教委内の広告審査委員会が、契約金額や経営状況などを踏まえて選考する。
 宮城球場の命名権は、スポーツの振興や県有施設を活用した収入確保を目的に、05年に導入。当初は人材派遣業フルキャストが年2億円で取得した。命名権売却に伴う収入は75%が楽天野球団に、25%が県に入る。


2013年11月06日水曜日
-----引用終了-----

実際のところはわかりませんが、記事を読んでいる限り、日本製紙と喧嘩したとか、どちらかが愛想を尽かしたとかではなさそう。もちろん会社側の経済的な事情もあるのでしょうが、優勝したこの時期、命名権が欲しい企業もたくさん(それこそ楽天を含め)あるでしょうし、球団にとっても県にとっても悪い話ではないのかもしれません。

それにしても、Kスタの正式名称を初めて知りました(爆)。

「日本製紙クリネックススタジアム宮城」って言ったんですね。舌噛みそう。そりゃそんな名前、ほとんど誰も呼ばないよなぁと思う反面、優勝したこの次の年にも命名権があれば、もう少し全国的に定着したのかもしれないと思うと少し残念でもあります。

残念というのはなんというか気分の問題で、個人的に日本製紙コメントや態度から心意気のようなものを感じるから。

村井知事が記者会見で「経営上の判断から(撤退になったの)ではないか」と言っていたように、実際問題折角優勝して「これから!」という時に、命名権を手放さないといけないような厳しい状態なのでしょう。製紙業界は合併だの何だのでかなりバタバタしていますし、日本製紙グループにはこんな話題もありました。

 ▼「【日本製紙グループ本社】 過去最大級のリストラを断行

しかし、「円高の苦しい状況にある中、東日本大震災が起きて石巻工場が被災したが、『約束したことだから』と契約を継続」した。ついでに、日本製紙は命名権を得た直後に不祥事を起こして、2008年2月15日付で一度球場名を「クリネックススタジアム宮城」に変更(不祥事を起こしたため、社名である「日本製紙」を削除)しているそうです。

そんな中、被災してもなお命名権を返上せずに契約を続けたのはなぜか。さまざまな判断があったんだろうとは思います。綺麗事だけではないでしょう。でも、日本製紙の広報さんが言っている「当初の目的だった地域貢献や社会貢献を一定程度果たせた」ということは、一定のウェイトを占めていると思う。スカイマークが神戸球場(グリーンスタジアム神戸)の命名権を返上した時、「神戸での認知度アップという目的は果たした」というビジネスライクなコメントを残したのとはちょっと違う雰囲気を感じる。

まあそんなところに回す金があるなら雇用を増やせと言われればそれまでなのですが、高尚な芸術活動ではないにしても、これだって立派なメセナってやつでしょう。

私は楽天ファンではないし、Kスタに行ったことも無いし、Kスタの正式名称も知らなかったようなニワカですから「さよならKスタ」などという感慨に浸ることはできないし、そんな資格もありません。しかし、楽天という球団のつらい時期を支えて、栄光までの道のりを共に歩んだ「Kスタ」という球場があったということは、いち野球ファンとして記憶にとどめておきたいと思います。

しかし、球場の名前とかってやっぱり十年とかの単位で同じ名前じゃないとなかなか定着しないような気がしますね。さっき出てきた神戸球場(神戸総合運動公園野球場)は現在、「ほっともっとフィールド神戸」ですけど、いまのところ記憶に残りそうな感じがしない(笑)。

本拠地の名前が安定するのが良いか悪いかは人それぞれかもしれませんが、私は安定してるほうが愛着わくタイプなので、もう少し「Kスタ」を見ていたかったようにも思ったのでした。

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2013/11/06(水) 06:40:33

JASRACが、著作権使用料の徴収方法を巡って敗訴したというニュース。読売新聞の報道をソースとして、まとめサイトである「ハムスター速報」さんが「JASRAC死亡速報!カスラックの使用料徴収方式は独禁法違反と東京高裁が判決」というセンセーショナルな見出しをつけた記事を掲載しておられました。

読売JAS01

-----引用始め-----
JASRACの使用料徴収は競争を妨害…高裁

 テレビなどで流れる音楽の著作権使用料の9割超を管理する「日本音楽著作権協会(JASRAC)」の使用料の徴収方式が、新規業者の参入を妨げているかどうかが争われた訴訟の判決で、東京高裁(飯村敏明裁判長)は1日、「JASRACの方式は新規参入を著しく困難にして自由競争を妨げている」との判断を示した。


 その上で、この方式を容認した公正取引委員会の審決を取り消した。

 公取委が「独禁法違反ではない」と結論づけた審決を、裁判所が覆すのは初めて。1939年の設立以来、音楽の著作権管理事業を独占してきたJASRACのビジネスに影響を与える可能性もある。

 公取委は2009年、JASRACに徴収方法の廃止を命じたが、JASRAC側の異義を受け、昨年6月、一転して命令を取り消していた。

(2013年11月1日15時58分 読売新聞)
-----引用終り-----

ところが、記事本文を読めば判る通り、この訴訟は「使用料の徴収方式」を巡って起こされたものであり、JASRACによる著作権管理が違法、というわけではありません。もちろん徴収方式が変化することでJASRACに何らかのダメージが行く可能性はありますが、ハム速さんの「JASRAC死亡」はさすがに言い過ぎでしょう。

ハム速さんがこのような記事タイトルをつけたのは、意図的なのか勘違いなのかは判りません。ただ、今回の件について言えば読売の見出しに問題があると思う。「JASRACの使用料徴収は競争を妨害」という書き方になっていますから、そりゃぱっと見「徴収」がダメなんだと思いますよ。

この点、MSN産経ニュースのほうはもうちょっと分かりやすい書き方になっています。

 ▼「JASRACの使用料徴収方式 「他業者の参入排除」と高裁」(MSN産経ニュース)

msn産経

-----引用始め-----
JASRACの使用料徴収方式 「他業者の参入排除」と高裁
2013.11.2 00:18 [知的財産]

 テレビなどで使う音楽の使用料徴収方法をめぐり、公正取引委員会が独禁法違反で社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)に出した排除措置命令を無効とした審決は違法として、著作権管理会社のイーライセンスが取り消しを求めた訴訟の判決が1日、東京高裁(飯村敏明裁判長)であった。飯村裁判長は、管理する楽曲を一定額で使い放題にするJASRACの「包括徴収」方式は、他の業者の参入を排除するとして、審決を取り消した。公取委は「上告も視野に対応を検討する」としている。

 この訴訟は独禁法の規定で高裁が1審。公取委は昨年、違反事実そのものが認められないと判断、刑事裁判の「無罪」に当たる審決を18年ぶりに出していた。

 飯村裁判長は、包括徴収方式は楽曲の使用割合を反映せずに一定額を徴収するため「テレビ局などがイー社への楽曲利用料の支払いを経費の追加負担と考え、イー社管理の楽曲の利用を避けた」と指摘。同方式が「イー社の事業活動の継続や新規参入を著しく困難にしたと認められ、他の事業者の事業活動を排除する効果を持つ」と判断した。

 ただ、独禁法違反の有無については確定的な判断をしておらず、排除効果以外の争点は「公取委が改めて判断すべきだ」とした。

 公取委は平成21年、JASRACに、楽曲の使用割合を反映する徴収方式に改めるよう求める排除措置命令を出したが、昨年6月の審決で「他の事業を妨げていない」と判断を覆した。
-----引用終り-----

msn産経ニュースのほうは、以下の点で読売オンラインの記事より内容が明確かつ正確です。

 ・「使用料徴収」ではなく「徴収方式」が問題であると見出しで表明している。
 ・JASRACの過去の徴収方式がどんなものであったかを明記している。
 ・訴訟の原告と被告が誰で、その内容がどのようなものかが書かれている。
 ・判決の理由をより長く、丁寧に紹介している。
 ・独禁法違反かどうかの判断を保留したことが追記されている。

というか、読売オンラインの記事は「速報」にすらなっていない雑な内容だったなぁという感じ。読売の記事よんで、今回訴えられてるのがさしあたってはJASRACじゃなくて公正取引委員会の判断だったことを一発で理解した人ってどのくらいいるんでしょうか? 少なくとも私は、てっきりJASRACが訴えられたんだと思いました。法律とかに詳しければちゃんと読めるのでしょうけど……。

そして産経の記事を読む限り、JASRACの「楽曲の使用割合を反映せずに一定額を徴収する」方式がよろしくないということです。つまり、使用頻度が高くなるような大人気の曲ほど「お買い得」になる方式であり、大手が人気楽曲を独り占めしたら中小の事業者は参入しづらいということでしょう。

この方式が変化したところで、多くの人が期待するような「JASRACによる厳しい著作権管理」は、それほど劇的に変化するかどうか判りません(現状ほぼ独占なので強気でいる、と考えれば変化しないとも言い切れないと思いますが)。

共同通信なんかはこの辺を綺麗にまとめた、端的な書き方をしています。

 ▼「音楽使用「新規参入排除」と高裁 JASRAC徴収方式めぐり」(47NEWS)

※「47NEWS」の共同通信配信記事については永続性のあるURLが割り当てられているので、基本記事が消えることは無いと考え、スクリーンショットは省略。

-----引用始め-----
音楽使用「新規参入排除」と高裁 JASRAC徴収方式めぐり

 日本音楽著作権協会(JASRAC)がテレビ局やラジオ局などと結んでいる音楽の著作権使用料の一括徴収方式が独禁法違反に当たるかどうかが争われた訴訟の判決で、東京高裁は1日、「他業者の新規参入を排除する効果がある」と判断し、適法とした公正取引委員会の審決を取り消した。

 独禁法違反の有無については確定的な判断をしておらず、事実上審理を公取委に差し戻す判決。公取委側は上告を検討する。

 問題となったのは局側がJASRACに一定額を支払えば管理曲が使い放題になる「包括徴収」方式。

2013/11/01 18:39 【共同通信】
-----引用終り-----

多少不親切ではありますが、「包括徴収」方式が何かなどを自分で調べていけば、十分な内容が読み取れる記事ではないでしょうか。こうして読み比べてみると、読売オンラインの記事の問題点というのは、次の3点であると思われます。

(1)事態を把握するのに必要な情報やキーワードが書かれていない。 例:「包括徴収」など
(2)不正確で誤解を招く表記。 例:「使用料徴収は競争を妨害」など
(3)漠然とした憶測を書いている。 例:「JASRACのビジネスに影響を与える可能性もある」

この3点セットのコンボによって、読み手が都合よく解釈し、なんとなくわかったような気持ちになる「おもしろい」記事の一丁上がりというわけです。共同通信の記事なら「ん? どういうこと?」と立ち止まりそうな部分もするっと読み飛ばしてしまいがちになるし、正当な競争を「妨害」していた「JASRAC」の「ビジネスに影響を与える可能性もある」のような言い方からは、ハム速さんのタイトルをお借りして言えば、「JASRAC死亡」という方向へ引っ張る意図が透けているようにも見えてしまう。

ちなみに読売オンラインの記事は、現在大幅に内容が加筆・修正されています。

 ▼「JASRACの使用料徴収は競争を妨害…高裁」(YOMIURI ONLINE)

読売オンライン2

-----引用始め-----
JASRACの使用料徴収は競争を妨害…高裁

 テレビなどで放送される音楽の著作権使用料を巡り、日本音楽著作権協会(JASRAC)の使用料徴収の方式が独占禁止法違反に当たるかどうかが争われた訴訟の判決で、東京高裁(飯村敏明裁判長)は1日、「JASRACは新規業者の参入を著しく困難にして自由競争を妨げている」と判断した。

 その上で、この方式を容認した公正取引委員会の審決を取り消し、同法違反に当たるかどうか改めて審理し直すことを求めた。

 公取委が「独禁法違反に当たらない」とした審決を裁判所が覆したのは初めて。公取委は上告を検討しているが、音楽の著作権管理事業を独占しているJASRACが徴収方式の見直しを迫られる可能性もある。

 原告は、2006年に新規参入した著作権管理会社「イーライセンス」(東京)。

 公取委は09年2月、JASRACが放送事業者との間で、曲の使用回数を問わず放送事業収入の1・5%を使用料として受け取る「包括徴収」の契約を結んでいるため、「新たな使用料を敬遠したテレビ局などが新規業者と契約しない」と認定。包括徴収が独禁法が禁止する「私的独占」に当たるとして、JASRACに同方式の廃止を求める排除措置命令を出した。

 しかし、これを不服としたJASRACからの審判申し立てを受け、公取委が12年6月、「証拠不十分」を理由に一転して命令を取り消す審決をしたため、イー社が同7月、審決の取り消しを求めて1審・東京高裁に提訴した。

 高裁判決は、民放のテレビ、ラジオ局の計13社が、使用料負担を軽減するため、イー社が管理する楽曲は使わないとの社内向け文書などを作成していた点などを重視。「包括徴収には新規業者を排除する効果があり、審決の判断は誤り」と指摘した。

(2013年11月1日15時58分 読売新聞)
-----引用終り-----

すげぇ分かりやすい(笑)。タイトル変わってないけど。

なんか時系列表みたいなのもつけてくれてるし……。最初の記事は何だったんだっていう感じです。書いてる人が変わったのかしら。あるいは、他媒体の記事の様子を見ながら手を加えていったのかもしれません。

結局、こういうのも「ネットリテラシー」(メディアリテラシー)の一貫ということになるのでしょうか、インターネット上の記事というのは、速報性が高いぶん、情報の精度に欠けていたり、表記が曖昧であることも多く、それゆえ誤解・誤読をする可能性が常につきまとっています。同じニュースであっても、全然違うのは上に見た通り。

他でいえば「時事ドットコム」のニュースでは(これ)、「「排除措置命令を取り消した審決には誤りがある」と結論付けた。」という記述で結ばれていて、独禁法違反の有無については判断せず公取委に差し戻したという内容がいまいち読み取れない(公取委の判断を違法と結論づけたようにも読める)書き方になっています。やっぱりメディアによって結構違う。

すぐに「誤読」を防ぐ方法というのは正直思いつかないわけですが、ほぼ横並びの時間帯で記事が掲載される紙媒体の新聞とかとは違い、ネットの場合報道者によって掲載時間に差ができるのと、同じ報道者であっても加筆・修正が容易であるというところに特徴があります。

ですから、報道の内容を読み比べたり、記事が出てから数日経って内容を読み返すことで、受け取る情報の精度を上げることができるでしょう。こういうのは情報の積み重ねという点で、紙媒体の新聞で特集記事が何日にもわたって掲載されたりすることと似ていますが、ネットの場合自分が積極的にアクセスするつもりがなければなかなか「昔の記事を振り返る」機会を得られないのが問題かもしれません。

とりあえず、1つのニュース、特に時事的なニュースに対しては、できれば複数の報道を見比べる(比べる対象がなければ出てくるまで待つ)というのは、それなりに重要かつ有用な心構えではないかと思います。

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