よい子わるい子ふつうの子

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

2012/10/04(木) 07:10:39

先日のこと。恒例月末金曜日のエロゲーラッシュを終えて帰宅した時、ふとツイッターを覗き見ますと、「新作の箱が大きすぎて持ち替えるのに往生した」というような話がありました。それを受けて私もエロゲーの箱に対して次のような皮肉を呟いた。
で、これに対していろんな方から色んなコメントを頂きました。私は特にエロゲーの業界情報に興味も無かったので調べたことはないし、まして業界人間ではありませんから、恥ずかしながら業界の常識とかは全然知りません。本当にただの印象論。無知をさらけ出しているといえばその通りで、色々と有識者のお話をうかがって、「なるほどなぁ」と思うところがありました。考えの整理とまとめを兼ねて、今回は「エロゲーの箱」の話を少々書いてみることにします。

▼エロゲーの箱の大きさと「宣伝効果」の関係
まず、私が言いたかったのはどういうことだったか。無理矢理まとめると要点は以下の2つくらいでしょうか。

(1) エロゲーの箱は小さい方が良い、というユーザーは結構多いはずなのに、なぜ小型化されないのか。ユーザーの希望と乖離してない?
(2) 箱が小さいほうがメーカーさんやショップさんにも良いことが多そうだけど、なんで大きいままなんだろう?

問題を定式化すると、「箱が小型化されないのには何か積極的な理由があるのか?」ということになります。既得権益でも云々、というのは言い方がまずかったかもしれませんが、まさか箱一つで目玉が飛び出るような額のお金が動くとは思っていないので、もちろんジョークです。

これについて美凪さん(@minagi)は、次のようなお話があることを教えてくださいました。
これはつまり、「大きな箱には宣伝効果がある」ということです。あ、内容の詳細は確認していません(発言したライターさんが誰で、またどのような媒体でのことか等うかがわず)。なぜなら、私にとっては誰が言っていたかとかは割とどうでも良いことだったからです。

いや、本当に学術的に厳密な議論をするなら、ウラ取りは大事なことでしょう。が、そこまでして考えるネタでは無いだろうというのが一つ。ぶっちゃけ、そういう話がある、ということだけで十分です。もう一つは、作り手側の人たちがどう考えていてもそれが事実とは限らないから。たとえば、全く同じ内容で大きな箱のものと小さな箱のものを同時に売り出して比較したデータがあるとか、ユーザーアンケートに「箱の大きさ」という項目でもあれば別です。しかし、そうでないなら印象論の域を出ない可能性が高い。この辺こだわり出すとキリが無いし、深夜のトークにはあまり相応しくないだろうということで切り上げました。

閑話休題。「エロゲーの箱」問題は割と興味をお持ちの方も多かったようで、その後しばらく、色んな意見がタイムラインに流れてきました。全てを引用はしませんが、「大きな箱」になっている理由として出てきたものをまとめると、だいたい次のような感じ。

1. 大きなパッケージには店頭宣伝効果がある。自社だけ小さくするのはデメリットと感じるブランドは多いのではないか。
2. 大きな箱でないと高額なエロゲーに相応の満足を得られない。
3. 特典を入れるのに大きいほうが良い。
4. 万引き防止。
5. 箱のデザインも作品の一つで、価格に組み込まれた商品の一貫だ。
ちなみに、ググってみると同じような議論は既にされているようで、そこでもやはり似たようなことが言われていました。参考に、いくつかのページへのリンクを貼っておきます。

【参考】
Yahoo知恵袋 「なぜエロゲは箱がでかいんですか?」 
チェック☆ゲーバナ 「なんでエロゲの箱があんなに大きいのはどうして?
さくたろう速報 「エロゲのデカすぎる箱の必要性を議論するスレ
さてここで、上で述べられていた理由についてもう少し考えてみたい。まず、見る限りもっとも説得力がありそうなのは「宣伝効果」。たしかに、箱はデカいと目立ちますわな。ただ、実際効果は限定されているのではないかという意見もあり、私もそう思います。

今のユーザーの多くは、ネットで検索して買いに行く。雑誌でもいいですが、まあリサーチに熱心です。で、普通希望作品のタイトルくらいは検索して行く。そういう人が、店頭で大きなパッケージが目立っていたからといって惹きつけられるか否か。私には、そこまで効果は無い気がする。大きかろうが小さかろうが、そういう人は大抵、買うと決めたものを買う。

また、ネット通販で買う場合はパッケージの大きさなんぞ関係ありませんから、こういう人も除外。となると、「パッケージの大きさによる宣伝効果」が最大限発揮されるのは、吟味して買うユーザーではなく、特に事前のリサーチもなくふらっとショップを訪れて購入する一見さんということになります。次に、熱心にチェックする人でも当然見落とす可能性はあるので、チェック漏れしていた場合に店頭で気付いて貰うという効果でしょうか。

以上のように考えると、一定の効果は間違いなくあるにしても、それがどの程度大きいかは良くわからない、というのが「宣伝効果」に対する印象です。これも所詮は印象論ですから印象論返しにしかなっていませんが、なんとなく言われている「宣伝効果」の内実を疑うことは意味があるのではないかと思います。とはいえ、宣伝効果が実際にあるという具体的な調査データがあればこういう印象論の応酬をせずにすむわけで……そういうデータ、私は残念ながら寡聞にして存じませんので、ご存知のかたがいたら是非教えてください。

また「宣伝効果」に対しては、代替手段もあるのではないかと思います。たとえばですが、店頭にはポップや見本パッケージを配置する。んで、実際の箱は小型のものにしてしまっておく……なんてのは駄目でしょうか? まあ面倒か。でも、割と惰性でパケ絵の「宣伝効果」に縋っている部分はあるのではないかという気もしています。

大きな箱の「宣伝効果」について、思うところを簡単にまとめるとこうなります。

1.実際に一定の宣伝効果はありそう。
2.エビデンスは無いけど効果があると信じられているだけの可能性もある。
3.同じ効果をもつ別の方法で代替可能かもしれない。
4.実は全く別の理由があるかもしれない。

結局エビデンスの有無が問題になるので、考察はこの辺りが限界かな。ただ、「別の理由」に関してはもうちょっと触れられそうなので、もう少し頑張ってみましょう。

▼大きな箱が選ばれる、その他の理由
先ほどのツイッターでの意見の中にも、その類が散見されました。挙げられていた中からだと、たとえば「万引き防止」。

ただこれはあんまり気にしないで良さそうです。一定の効果はあるにしても、さすがにいまは殆どの作品に万引き防止のタグがついていますし、むしろ大きな作品にほどしっかりとついている。大きかろうが小さかろうが狙われるのだろうし、結局箱の大きさ以外の対策が求められている。一時はある程度の効果があったにしても、今はその効果をメインにしているかと言われると、少々首を傾げざるを得ません。

次に特典を入れる必要云々ですが……これはある程度必要性を感じるものの、どうしてもかと言われると「うーん。どうなのかな」という感じ。

現状、多くの特典はパッケージと別に渡されることが増えました。たとえば抱き枕カバー、下敷き、テレカ、タペストリー等々は、そもそも箱が大きくても入らないものもありますが、店舗ごとに特典がことなる「店舗特典」の形式をとるため、もともとパッケージの中に含めることができない。全店舗共通の初回特典として中に入れるのは、サントラ類(CD)がメインでしょうか。この前の『聖もんむす学園』のマイクロファイバークロスのような小物もありますね。ただこれらも結局、別枠で渡す方式がある程度定着しているので無理に箱に収める必要は無い。豪華なマニュアルや設定資料も同様です。もちろん、箱に入るメリットはあると思いますけど。

『20世紀アリス』のようにどうしても大きな箱が必要なくらい特典がぎっしりつまっている豪華版の作品もありますが、そんなのはごく僅か。酷い場合は外側の大きな箱を開けると中にDVDケースが入っていて、マニュアルもDVDケース側に収納されていたりする。「それなら最初からDVDケースのほうで売れば良いじゃないか」とツッコミをいれたことも少なくない。特典のために箱が大きくなってるんだ! とはとても言えません。特典という側面からすれば、殆どのエロゲーの箱は「不必要に」大きいというのが実状です。

では、「ユーザーの満足感」という点についてはどうか。私なんかはあんまり感じないのですが、これについては、結構重視している人も少なくないようです。たとえば、じゃこさん(@kapuron)曰く、こう。
「箱も作品」という意見も同様で、パッケージを含めて全体としてのエロゲーを楽しんでいるのだ、という考えはなるほどそうかもしれないと思います。本棚に綺麗にエロゲーのパッケージを並べて飾っている方もおられますからね。

箱そのものに価値を見出す一連の思想は、箱が「邪魔」だという機能論的な考えと真っ向から対立するユーザー側の明確な立場です。エロゲーの箱が邪魔だと考えている人が少ない、あるいは邪魔かもしれないけれどそれ以上に箱に価値を見出している。そういうことなら、箱をあえて小型化する必要は無いのかもしれません。

▼大きな箱にメーカー側のデメリットはないのか
これまでは、大きな箱のメリットについて話をしてきました。基本的に想定されるデメリットが、一部のユーザーにとって邪魔というだけなら、メーカーの都合ということで片付けても良さそうです。しかし、本当に大きな箱がメーカー側にとって何のデメリットも無いのかというと、そこにはまだ「憶測」する余地があるようにも思われます。

当たり前の話、箱が小さくなるということはそれだけ小売店のスペースに優しい。店頭に並べられる量は増えますし、邪魔になったという理由でワゴンセールされるペースが落ちるかもしれません。また、嵩の問題で言えば、パッケージが小さいほど輸送は楽になるはずです。かさばりませんから。トラックの台数などが減ると輸送費も減ったりはしないのでしょうか。あと、パッケージのコストが削減できるかもしれません。大きな箱にカラー印刷するより、DVDケースのほうが安上がりになるとか。

以上は本当に単なる憶測です。ただ私が言いたいのは、思いつきの具体例が当たっているか否かというよりはむしろ、パケを小さくすることによって得られるメリットはないのかということ。結果的にブランドにとってもプラスの側面があるなら、現在の状態は大きな箱のデメリットを甘んじて受け入れている状態であるとも言えるでしょう。

なお、ツイッターでは「箱がでかくて鞄に入らないといって買うのを辞める人がいる」というような話もありました。いかにもありそうですが、思うにあんまり考慮しなくて良いデメリット。なぜなら、そんな人はそもそも店舗での直接購入に不向きだからです。彼(彼女)にとっては初回特典のタペとかも邪魔なものの部類になるでしょうし、それなら通販で買うほうが無難そう。影響が全くゼロとは言いませんが、どんなパッケージスタイルにしても出てくるであろう問題=「誤差の範囲」に収まると思います。

また、「箱が家で邪魔になるから買わない」という人も考えなくて良い。こんなもの対処法はいくらでもあって、「箱が邪魔だ」と考えるような人なら箱を潰して保管するか、下手したら捨てます。一方箱を潰せないくらい愛している人なら、箱が邪魔だから買わないなどと簡単には言わない。箱が好きで好きでしょうがないけど、でももう置き場所なくなったから買えない! という人がいれば箱の大きさが購入を止める原因になるかもしれません。が、それはそれでまた誤差の範囲です。

「箱が大きくないと嫌だ」という人がそこまで多くない一方で、実は「箱が大きいから買わない」という人も少ないのではないか、ということです。だから、メーカー側に売上面でのデメリットというのは余り無いように思います。

▼まとめ
ちょっとヨレヨレになりましたが、結局今回の話は何だったのか。

まず私は、エロゲーのでかい箱なんて邪魔だからいらないんじゃないか、と思った。けれどそれに対して、いやさ宣伝効果があるのだという反論があった。

色々考えてみると、その宣伝効果をはじめとする箱が大きいことのメリットは正直余り無いような気がします。しかし、箱が大きいことのデメリットというのも、メーカー側には少ない(箱が邪魔だ邪魔だと言いつつユーザーは買うので、メーカーにとってはそこまで問題ではない)のかもしれない。なるほどそれなら、多少なりとも宣伝効果があると思われている(そして実際多少はあるだろう)大きい箱のエロゲーというのは無くならないのも納得です。

ただそれは、パケが大きいことに何もデメリットが無いという前提ならばの話。ここまでで述べたように、輸送をはじめとするコストの問題や、店舗保存日数の問題などがパッケージの小型化によって改善されるようなら、必ずしも大きなパッケージが良いとは言えないハズ。もっともこれ以上の考察は、証拠や資料が無いとどうしようもありません。ギブアップします。

小型化したメーカーさんも幾つかありますが、そちらは売上とかコスト実際のところどうなってるんでしょうね。追随するメーカーが少ないということは、あまり大きな効果は無いのかな。ゲームの内容とはあんまり関係ないけれど、聞いてみたい気もします。

締まらない話になってしまいましたが、本日はこの辺でおひらきとしましょう。閲覧に感謝を。それでは、また明日。

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