よい子わるい子ふつうの子

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

2013/01/31(木) 02:19:25

つりおつパケ
タイトル:『月に寄りそう乙女の作法』(Navel/2012年10月26日発売)
原画:西又葵/鈴平ひろ/羽純りお
シナリオ:真紀士/王雀孫/森林彬/東ノ助
公式:月に寄りそう乙女の作法OHP
定価:8800円
評価:A (A〜F)

関連: 批評空間投稿レビュー (ネタバレ有り) ※外部リンク

※具体的な長文感想・内容紹介は、批評空間さまにて投稿しております。



▼評価について
結論から言えば非常に満足です。ただ、バラつきは大きい。ルナ・ユーシェルートの完成度で全体が統一されていたらなぁと勿体無く思う気持ちはあります。とはいえ、欠点を補って余りある魅力を発揮していたのも事実であり、Aということにしました。贅沢を言えばやはり、サブキャラ攻略はちょっとくらい欲しかったかなぁ。まあそちらはFDということなのでしょう。

共通A ルナA ユーシェA 湊B 瑞穂C みたいな感じです。なお私の周囲では、湊より瑞穂のほうが評判が良いみたいです。

▼雑感
以下、ネタバレを含みます。




百合ゲー、女装ゲー等々の評判を耳にしていたので、割とそちらのバイアス強めで読んでいました。しかし、一発目にプレイしたのがルナ様だったこともあっていきなりその感覚を吹き飛ばされてしまい。もちろん表面的には――というか、ブランド側の狙いとしてはおそらく、女装・百合のようなところで押しているのだとは思うのでそっちで受取るのがまっとうな楽しみ方だとは思うのですが、この作品、特にルナルートはそういう枠組みをぶち壊す力を持っていると思います。

詳しくは長文感想をご参照ください、ということにいたしますけれども、ポイントは衣遠による「暴露」をルナが粉砕するシーン。これ、要はルナが「朝日」の外見も性別も名前も、すべてを通り抜けてただ人間性(本質的なもの)を見る、と宣言しているのが大きい。もちろんこれは、ルナから「朝日」への宣言であって、「朝日」からルナへの想いはまた違っている可能性はあります。特に、彼らの場合対等な恋人関係である以前に主人-従者というポジションがありますから、立場の違いが愛情の質の違いになっている可能性は否めない。

だから私もあれこれ考えたし、何度も読みなおしたのですが、やっぱりここでルナはラディカルに恋愛の枠組みを破壊しにかかっている気がします。意図的に、というよりは、結果的に。

遊星がプロローグで、「すべてを赦すことができるとすれば、それは神の愛だろうか」みたいなことを、ちょっと原文とは違ったかもしれないのですが、言っていました。ルナの愛が神の愛だとは言わないにしても、人間的なものは突き抜けている気がするんです。少なくとも、遊星が想像上の母親(すでにいない)に託してきた想いを引き受けることができるほどの愛を、ルナは注いでいる。

遊星が寝言で母親ではなくルナの名を呼ぶというのは、だから、単に遊星がマザコンから抜けだしたとかそういう話ではなくて、愛情の質の問題なんだと思う。母親という、ある意味無条件で子供の「居場所」になれる存在を飛び越えて、その相手の居場所となれるような愛。それを持ちうるということが、ルナという少女の恐るべき純粋さであり、美しさなのだろう、と。

親子というのは、まあ普通に考えれば、人間の中で最も自然的であって、かつ強固な関係です。もちろん昨今DVだのなんだのでそこを疑う視線というのは出てくるようになりましたが、少なくともこの作品の中では、親子・血縁というのは結構な重みをもって描かれている。しかし、ルナはそれをぶっ壊すわけです。身体的結合の最たるものである血縁関係をぶっ壊して、じゃあ何でつながるかというと、こころ。精神性です。

身体より心の方を重視する、というだけならそれなりによくある話なのですが、ルナの「突き詰める」性質がそういう中途半端を許さず、結果的に「精神性だけで」愛は成り立つ、というところまでいってしまっているんじゃないか、というのが私の受けた感覚です。

あと、これがルナから「朝日」へ向けた感情の話だけではないか、ということについては、ルナと「朝日」は立場を相互に交換しあう存在ではないか、という形で返答しておきます。これも感想に書いたことですが、ルナは優しさと厳しさという、相反する性質を併せ持っています。その矛盾を両立させられる相手として、「朝日」/遊星がいる。だから、ルナから「朝日」へ注がれる愛情は、そのまま遊星からルナへの愛情になるのではないかな、と。ルナも家族と切れてますしね。

まあそんな感じだったので、ルナ様は凄いし憧れるけど、遠くてまぶしすぎてちょっとこりゃ私にはキツイな、と。なんか綺麗なものを大事に崇め奉る感じとでも申しますか。

そこでユーシェのルートが効いてくるわけで、彼女は最後、フィリア・クリスマスコレクションでルナに勝利して遊星を手に入れるんですが、この部分が凄く微妙な表現になっています。たぶんこちらのほうはスタッフの方があえてそうしたのではないかと思うのですが、ユーシェは完全勝利したわけではないんですね。

このへんも感想に書いたので(こればっかやな)細かい説明は省きますが、ユーシェは単独ではルナの才能に勝てていない。あくまでもトータルとして勝利しただけだし、その勝利も、小手先のテクニックというか詐術をつかって、うわべでごまかしたものです。

だからというべきか、彼女は「一部しか」ルナに届かなかった。一部だけでも届いた、というべきかもしれませんけれども、そのあたりのニュアンスの違いは措くとして、それが彼女の限界なわけです。そして、受賞スピーチから明らかなように、彼女自身限界であることをわかっている。わかっていてなお、憧れ続け、目指し続けようとするわけです。

それは、とても大変なことです。強さと覚悟が要る。そんなわけで、ルナが愛の物語だったとしたら、ユーシェはたぶん、勇気の物語と言って良い気がするんですね。そして、恋愛モノとしてはちとどうかという話はあるかもしれませんが、私はそういう、人間的な勇気の溢れる物語に寄りそいたい。届かない美しい理想より、届かないと知りつつ手を伸ばす人間にこそ憧れてしまう。

ルナと朝日が「月と太陽」のように(あるいは月と乙女として)扱われますが、もうひとつ、ルナとユーシェも対になっていると見ていいんじゃないかなぁと、そんなことを考えているんですけれども、いかがなもんでしょう。

ちょっとで終わらせるつもりが、随分長くなってしまった……。細部にこだわって読んだつもりだったのですが、DG-Lawさんにご指摘頂いた衣遠お兄さまの話とか、見落としていた部分もあり、まだとりこぼしたり、抑えきれていない部分は多々あるので、しばらく寝かせてからまた、再プレイしてみようかなと思っています。

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2013/01/30(水) 23:58:11

以前、「復活当選」(2013年1月17日)という記事で書いた、、『ディバインハートカレン』のバナーキャンペーン・B賞がとうとう届きました。やったヽ(´ー`)ノ。

カレンQUO
アストレアさんが完全にやられ役。(会社情報は公開されているものなのでマスクしていません)

自身初のバナーキャンペーン当選品ということで、大事にしまっておこうと思います。ネクストンさん、ありがとうございました。

そういえば自分で言ってすっかり忘れていたのですが、『LOVESICK PUPPIES』の予約特典色紙。これも本日回収。ソフマップさんはまだまだある様子でしたし、店員さんにうかがったところ、トレーダーさんでも新規予約者・既に予約した方ともに色紙をお渡しできる状態である、ということでした。

まだ回収してないという方は行かれてみてもいいかもしれません。

その後、ふらっと秋葉原の「メディオ!」さんに立ち寄り。2012年の売上げランキングが掲示してあったので、店員さんに許可をいただいて撮影してきました。

メディオランク
メディオ! 秋葉原店の2012年度エロゲー販売本数ランキング。

1位グリザイア、2位ドラクリオット、3位ティンクル☆くるせいだーす、4位マジ恋S、5位が夏空のペルセウス。6位がなんとびっくりのフォルト!!S

こうやって見ると、意外と特徴ありますね。メディオ! さんご自身の寸評に書いてありますが、やはり特典による売上の変化が非常に特徴的なのだと思います。「我が道を行くランキング」というのは、実に的確だな、と(笑)。特典の持つ力というのを思い知りました。

というわけで、本日はこれで。また明日、お会いしましょう。

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2013/01/29(火) 13:03:50

昨今のエロゲーでは当たり前になってきた、複数ライター制度。賛否両論ありますが、どちらかといえば否定派のほうが多いような気がします。とりわけシナリオを重視する層の中には多数。

理由はいくつかあって、たとえば好みの合うライターさんとそうでもないライターさんの差が激しい場合、「前者で統一されていたらもっとたのしめたのに!」という不満が出る。まあこれは当然といえば当然。

あとは、ルート単位でライターさんが書き分けを行なっている場合に、ルートによってキャラクターの扱いが全然変わってきて違和感バリバリだとか。いまでも話題になる『遥かに仰ぎ、麗しの』(PULLTOP)では、本校系VS分校系みたいな内ゲバが局所的に勃発しちゃったりなんかして、そういうナナメ上45度な方向に発展する例もあります。

それを避けるために、全体をコントロールする指揮官が置かれてチェックを入れたりするわけですが、まあ実際問題スケジュールやらメンツやらの問題もからみ合って、なかなか簡単にはいかないところもある。そこで極端な場合、個別ルートに入ると他のヒロインは一切出てこなくなる、みたいな処置がとられたり。そこまでいくと問題は回避できたとしても、それはそれで別の問題の火種にもなり得るので、あちらを立てればなんとやら。難しいところです。

ともあれ、「どうも複数ライター制度は微妙……」と思っているエロゲーマーは少なからず存在するでしょうし、かく言う私も、かつては「ライターは一人に限る」みたいなことを主張していました。

今も、ライターさん一人のほうが好き、という基本ライン自体は変化していないのですが、ただ、最近複数ライターという制度を別の角度から、もっと肯定的に捉えることはできないかな、と思っています。

そう思うようになったきっかけは、とある友人に「なら小説読めば良い」(エロゲーにこだわる理由がわからん)と言われたから。

もちろん彼のことばは極論です。けれどもまあ、その通りだという部分もありまして、「複数ライターはダメだ」というのをどこまでも強く押し出すなら、複数ライターの作品はやるな、という話になるわけです。それでもやってるからには、複数ライターに感じている不満というのは、エロゲーをやりたいという欲求には勝てない。その中でクオリティを求めていくという優先順位の問題にはなるとしても、エロゲーの大半が複数ライターを起用しているいま、それをどのように受け入れるかということも現実問題考えていく必要はあるのだろうという気になった。もっと言えば、私の中ではエロゲーをやめるという選択肢はなかったので、それなら現状を楽しめるように切り替えたほうが生産的だろうか、と。

あと、これは私自身の問題として、「複数ライターの何が問題か」ということを、きちんと突き詰めて考えていなかったというのもあります。

私はよく、「統一感に欠けるので良くない」みたいな言い方をして批判に用いていたのですが、つらつら考えるに、「統一感に欠けることの何が問題か」というところまで煮詰めてはいなかった。自分が不満に思った要素を言語化するときに、「統一感」って言えば何かそれらしくて使い勝手が良いので使ってお茶を濁していただけじゃないか、という反省があったのですね。きちんと対自化していなかったと言うか。

たとえば、「単に読みにくい」だけなのか、「キャラ像が破綻してる」のか、「一部超絶面白い時があるから全部そっちで統一してくれたらもっと良かった」なのか。どれも、複数ライターを起用したことによる統一感の問題と言えますが、内実はそれぞれに異なります。当然、対処法も違う。そこは便利な語にすぐ頼らず、自分が感じた違和感の内実を、きちんと捉えなおしてみようと。

「統一感」のようなことばを使わない、というわけではないです。そうではなくて、そこはもうちょっと厳密に使おうという話。せめて、どこがどう不統一で、その何が問題なのかということはきちんと説明しようと思いました。出すメーカーさん側としては、複数ライター制で問題ない、少なくともそれでひとつ、なにかタイトルを冠するに値する作品になったと思って出しておられるわけでしょうから(納得してないという人もいるのかもしれませんが)、私なりの誠意としてはそこに応答したい。

実際、ちょっと目線を変えてやると、複数ライターを起用することによって広がっている可能性って少なからずあると思うんですよね。

とんでもない力量のライターさんならともかく、普通の人なら4キャラも5キャラも、タイプの違うメインキャラを書き分けるというのは結構骨が折れると思います。1作品だけなら何とかなっても、それが4本、5本となると1人で何キャラ担当するのかという話になる。たぶん無理ゲーです。ライターさんを複数立てるということは、そういう「飽和」を未然に防ぐ効果が、これはたとえばの話ですけれども、あるかもしれない。

また、読み手の側からすれば、次のようなことが言えると思います。ルートごとにキャラの言動がブレているのは、実は付き合っている相手が違うのだから当然なのだ、と。ぷりちーなみやびちゃんとの付き合い方と、シリアナな栖香さんとの付き合い方は異なるはずで、司てんてーの表面的な変化というのは、ヒロインの性質にひっぱられて生じているにすぎない……とかなんとか。

「主人公はヒロインを映す鏡」じゃありませんが、そのヒロインが最も輝きを放つ相手(ヒロインに最も相応しい相手)になるように主人公が表面的な性質を変化させているのだ、というのは、ひとつの解釈としてはありえると思っています。「表面的な」とことわりをつけているのは、全部変わっているのならオムニバスで良いだろうという話になるからで、やはり根っこの部分ではなにか共通する性質があるべきだからです。逆に言えば、(ルートごとに変化している部分というのはその主人公の本質的な部分ではなくて、そこを取り払った後に残るのが主人公の本質なのですから)かえって主人公がどんな存在か、見やすくなるのかもしれません。

また、抜きゲーの場合だともっと端的に、「その道のプロ」が得意分野を分割担当することで、よりHシーンのクオリティが上がるということは考えられます。「ロリならまかせろー!」とか、「触手ビョルビョル」とか。こっちはストレートに影響が出そうですね。

ちょっと長くなってきたのでそろそろ〆に入りますが、言いたかったのはなんというか、「複数ライターの弊害」っていうのは実際にあると思うし、簡単にスルーできるものでないとは私自身も思っているのですが、それはやっぱり作品のもつ可能性の、「最低ライン」なんですよね。

最低の可能性を考えるなら、同時に最高の可能性も一応考えてみて、そのうえで最低を選ぶか、マックス汲み取った可能性を拾うか、両方勘案して平均値をとるかという選択肢が出る。でも、最初から最低しか見ないよ、というのではこれから先、エロゲーを楽しめる可能性を自分で放棄しちゃうというか、そんな気がしたのです。

もちろん理想とする完成度があって、それを追い求める(やはりライターさんは一人であるべきで、そうやって構築された物語をこそ楽しみたい)のも大事だとは思うのですが、もともとグラフィックや音楽といったさまざまな人が関わりあって作られているエロゲーというジャンルにとっては、シナリオもまた、分担で作られるということがそれほど不自然であるとは思われません。

ならばいっそ、複数ライターという制度を採用するからこそ拓かれる可能性に目を向けて、そちらを伸ばしていくという選択肢もあるのではないかな、と、そんなことを考えたのでした。

……まあこんなことゆうても、統一感無くて良くないとか、ブレてて微妙とか、使いますけどね(爆)。

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2013/01/28(月) 22:58:36

なんかお昼にツイッターを眺めていたらこんなニュースが。

女子高生ら76人を保護 マッサージ「楽に稼げる」」(47ニュース)

全文引用すると、こんな感じ。

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 女子高校生らを雇い、個室で男性客に添い寝やマッサージをさせていたとして、警視庁が27日に労働基準法違反容疑で家宅捜索した都内の「JKリフレ」と呼ばれるマッサージ店17店で、15〜17歳の少女計76人を保護したことが28日、警視庁少年育成課への取材で分かった。

 同課によると、少女らは「友達に『面白くて楽なバイトがある』と誘われた」「最初は気持ち悪かったが、楽に稼げるので我慢していた」などと話している。

 76人は高校生らで、家宅捜索の際に店内で働いていた。捜索時は他に18〜22歳の女性39人も勤務していた。

2013/01/28 12:26 【共同通信】

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「最初は気持ち悪かったが」と来ると、エロゲーでは「だんだん快感になって……」なんですが、そこはさすが 糞ゲー リアルだけに都合よくいかず、お金のために我慢されていたそうです。でもきっと、ハグとか肩たたきとかしてる間は「あたしって〜男の人にさわられるの好きだし〜」とか言ってるんだと思います。たぶん。

聞くならく、ハグが10秒だかなんかで3000円とかだったそうで(伝聞なので本当のところは知りません。間違っていたらごめんなさい)、そんなバカなと思うわけですが、それでも何万とか払っていくお客さんがいたとかいないとか。まあそんな商売、さっさとガサ入れ入って正解です。

しかし、秋葉原の通りで最近とみに女子高生の制服を纏った客引きが増えたなぁとは思っていましたが、本物が混ざっていたとは……。あのへんの風俗店、侮ってました。もちろん褒めてませんよ。そこまでアホだったとは、という感じです。

二次元オタクだけじゃなくてアイドルヲタも集まる街ですから、当然そういう需要はあるんだと思います。ただ、やっぱりがっつり風俗の格好した人がビラ配ったりしていると、ちょっとぎょっとしますね。メイドさんでも異様な感じはありましたが、アレはなんというか非日常の延長だったのでかえって溶け込んでいた感じがあり……。JKははっきりと日常の側というイメージがあるので、浮きまくって見えます。

今回の家宅捜索で風俗産業がどうこうなることはないと思うけれど、もういい加減制服で客引きなんて安直な発想はやめて、斬新なアイディアで勝負してほしいなと思ったり思わなかったり。

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2013/01/27(日) 22:40:50

マスコミが、アルジェリアのテロ被害者の方々のお名前を実名報道した件について、侃々諤々議論が巻起こっています。私はこのたびマスコミがとった態度というのはまことに論外で、静かな怒りを覚えるのですが、しかし、実名報道そのものについての是非と、マスコミの態度への是非というのを、混同してはならぬという思いもありまして、実にフクザツな気持ちです。

私は、表現規制問題なんかのときからずっと言っていますが、基本的に「言論の自由」は守られるべきだという立場の人間です。それはつまり、誰かの発言が、「公的な」制度の圧力によって禁止されるということを嫌うということです。

今回の場合で言えば、マスコミが「実名」を流すかどうかを決定できるのは、ひとりマスコミ自身。われわれがその発言を「やめろ」と言ったりするのはお門違いだと思うし、ましてやガイドラインを制定して規制をかけようなどという議論に至っては言語道断。それこそ、逆の暴力というか、表現規制だと思うわけです。もし、「傷つく人がいるから報道するな」という理屈が通るなら、「嫌がる人がいるからエロ同人店に並べるな」という理屈も通さなければならないハズ。それはやっぱり、言論(更に広義には、表現)の自由原理主義者としてはまずいなーと思うわけであります。

しかし、もちろん今回のマスコミの態度は度し難いものがあるわけでございまして、それはそれで批判しなければならない。では、彼らは何をもって責められるべきか。もちろん、遺族の感情を無視したとか、手続きに問題があった(遺族との約束を破った)とか、さまざまなことがあるでしょう。メディア倫理の観点から、さまざまな意見が述べられていることは把握しています。

しかし私は、本質的に最も許しがたいのは、「実名報道」の責任を、死者に転嫁しているという欺瞞であると思います。たとえば報道ステーションでは何をトチ狂ったのかは知りませんが、「亡くなった方の名誉のため」に実名を報道すると言った。なんだそりゃって感じです。

ただし、ことわっておくと、なくなった方の人権を侵害しているとか、そういうレベルでの話ではありません。このあたりは議論のわかれるところではありますが、日本の現在の法律では原則的に死者に人権は認められておりませんので、マスコミが実名を報道するかしないかは、それなりに自由であろうと思われます。実感は措くとして、単に法的な問題として。

だからこそと申しますか、マスコミは、「われわれがやりたいからやった」と言えば良い――というか、そう言わねばならないと思うのです。それこそが、「表現の自由」を有する自らの責任において、言論を発するということです。それなのに、発言の責任を自分以外のところにおしつけてしまっている。「自由」を自分で放棄するつもりなのでしょうか。意味がわかりません。

そのくせ、相手を人間として扱わない(人権のない「モノ」として扱う)というのですから、これはもう、死者への冒涜でしょう。徹底的に。率直に言って、吐き気がします。

実名報道は、死者のためでも遺族のためでも、ましてや国民のためでもなく、マスコミがマスコミであるために行われたものであるべきです。その限りにおいて、マスコミが正当に権利を行使して実名報道を行ったのであると認められるのだと私は思います。

ただし。

こちらにも言論の自由はございますので、その行われた報道の内容については、自由に発言が許されるという前提ですが。

内容については文句を言う。けれど、発言する自由だけはお互いに認める(制度的な抑圧を行わない)というのが、正常に「表現の自由」が機能している場でしょう。だからこそ、マスコミの言説を批判する一方で、マスコミの言論を封じようとしてはいけないと、(表現の自由主義者の)私は思います。

まあ長々喋りましたが、要するに今回のマスコミの対応は死者への冒涜であって内容的にお話にならず、自分たちで言説に責任をもとうとしない報道者としてあるまじき態度をとっており、文字通りの意味で「最低の屑」なわけですが、しかしながら彼らもまた「自由」を保証されるべきではありますので、それを批判する私たちも、やりかたを気をつけないと自分の首を締めることになる(自分で言論を制限するようなロジックを組み立ててしまう)という、そんなお話でした。


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2013/01/26(土) 21:54:30

昨日発売されたエロゲー関連の発売記念イベントがあり、本日はそれに参加してきました。

▼『大図書館』ライブ
まず、お昼すぎからオーガスト『大図書館の羊飼い』EDテーママキシシングル発売記念イベント。正確にはCDのイベントなのでエロゲーのイベントではないのですが、関連ということで。ソフマップのインストアイベントです。詳しくはこちら

出演は、司会のはらださとしさん、歌手のCeuiさん、同じく歌手の西沢はぐみさん。そしてディレクターにして作詞を手がけた永原さくらさん。

15分ほどのトーク、テーマソングのライブ(合計6曲)、じゃんけん大会という流れ。西沢さんもCeuiさんも凄く歌が上手でした……。ただ、私が行ってきたエロゲー系のミニライブというのは、歌い手さんが客席が自動的に盛り上がれないシャイボーイばっかりなのを見越して、手拍子とか積極的に音頭とってくださるのですが、今回は客席も訓練された戦士の皆さんが多かったようで、自然にサイリウムを振るポーズ(サイリウム自体は無しで、ポーズだけ)のようなのをしているひとがいっぱいで驚き……。歌い手のお二人もそれ前提みたいな感じだったので、うまくノリきれませんでした。

「せい!」と「イカ!」と叫ぶところだけしか頑張れなかった、不甲斐ない私を許してください(´・ω・`)。

じゃんけん大会は、お二人のサイン色紙。Ceuiさんのサインって凄い大きくて 漢らしい 見栄えのするサインで手に入れたかったのですが、残念ながら勝ち残れませんでした。ゲットされた皆さん、おめでとうございます!

そして出演者の皆さん、楽しいひとときをありがとうございました。


▼『ニルヴァーナ』サイン会
そのあと、『夏の終わりのニルヴァーナ』の大野哲也先生サイン会にも参加(公式こちら)。

大野先生がだいぶシナリオにも携わっておられるようで、「僕のパトスを詰め込みました」とのこと。そのぶん、「だいぶ尖った内容になったというか、精神年齢高い人向けになったというか……」と仰っていましたが、要するにオッサン向けということであってますかね(違)。実際会場を見渡すと、脅威のオッサン率でした。『大図書館』と同じ会場だっただけに、客層の差がいっそうはっきりと……!

あ、でも若い女性もおられましたよ! 一名……。

大野先生は本当に丁寧にサインを書いてくださり、そのぶん時間はかかるのですが、心がこもっている感じがして、とても嬉しいです。

ただ、売れ行きは果たしてどうなのか……。結構「買ってほしい」ということをストレートにおっしゃっていたので、結果に対して期するところはあるのだと思われます。2年ぶりの新作ということもあり、業界的な不景気の波もあって、これで売れないとやはり今後の展開にいろいろ関わる部分もあるのかなーと想像してみるのですが、うがちすぎでしょうか。早めにプレイして感想など書けたらいいな。

大野先生、スタッフの皆さん、記念イベントありがとうございました。サイン色紙、大事にいたします。


▼悲しみの向こうへと
その後、エロゲーの予約とかしようと思ってSofmapさんをうろついていたのですが、おどろくべきことが……。

昨日、多くの人を哀しみへと誘った『Garden』の瑠璃シナリオ永久凍結のニュース。この話と前後して、長らく『Garden』が掲示されていたSofmapアミューズメント館2Fのエスカレーター前のパネルイラストが撤去されていたことは聞いていたので、どうなっているか見に行ってみたのですね。

すると……。

ソフマップパネル
こうなっていました。

まあ、新しいのに変わっていたのは良しとしましょう。

良いんですが、よりによってタイトルが、『ナイものねだりはもうお姉妹』。あまりにも意味深です。狙っているとしか思えない……。これで『Garden』ファンを鎮魂しようということでしょうか。

という感じで、いろいろあった本日。寒くなってきたあたりで撤退いたしました。イベントに時間とられてエロゲーできてないってなんか本末転倒の気もしますが、帰ってきたのでぼちぼち頑張ろうと思います。

それでは、また明日。


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2013/01/25(金) 01:30:09

2013年最初の月末金曜日がやってきました。今日は珍しくブログを先行更新しておきます。

予約しているのは以下の7本。めんどくさかったのと割引が効くのとで、全部ソフマップさんにて。

siropika
Sweet lightさんから発売、『しろのぴかぴかお星さま』

▼lightさんの姉妹ブランド処女作、しかも『タペストリー』のスタッフが手がけたということもあって注目が集まっています。が、予約が集まっているのかどうかまではわかりません。個人的には割と雰囲気良さそうなので期待しています。何より、タイトルのセンスがこの中では一番好き。


pkiss
Princess Sugarさん『プリンセスキッス! 〜少女1000年紀物語〜』

▼イベント目当てで予約……というだけでもありませんが、どちらかといえば注目していなかった作品。ファンタジーは好物なのですが、そのぶん評価も辛くなるので、どこまで応えてくれるか、海原雄山……は言い過ぎなので京極さんくらいのスタンスで待ち構えたいと思います。


god
ninetailさんの『GEARS of DRAGOON 〜迷宮のウロボロス〜』

▼今月の本命その一。九尾系と金目鯛ぴんく先生とか最高や……。ゲーム性も期待できそうだし、全裸待機です。

koronafd
ETERNALさん『輝光翼戦記 銀の刻のコロナFD -Fortune Dragon’s-』

▼FD枠。前作をプレイしているのでやはり、という感じ。『ユミナ』が良すぎたせいで霞んでしまいましたが、『コロナ』もフツーの基準に照らし合わせると、それほど悪くはなかったと思うんですよね。

korogetefd
PULLTOPさんから満を持して登場の ほたるパッチ 『この大空に、翼をひろげて FLIGHT DIARY』

▼ほ、ほ、ほーたるこーい。というわけで、昨年の萌えゲーアワード覇者、『ころげて』のFD。キャンペーンも頑張ってます。新生PULLTOPさんのスタートダッシュ立役者として今後を期待させるような、また昨年度上位ランカーの名に恥じない内容であってほしいと思います。

nirv
ぱじゃまソフトさん久々の新作『夏の終わりのニルヴァーナ』

▼大野先生枠(なんじゃそりゃ)。かなり面白かったのに中途半端で頓挫した感のある『プリズム・アーク』のスタッフの新作ということで、楽しみです。サイン会当選したので参加するつもり。18時からですが、夜は冷え込むとか言っていたので厚着していこう……。

daitosyo
そしてオーガストさんの『大図書館の羊飼い』

▼今月の大本命ですね。なんかものすごいデカい箱みたいで、もらうのが怖いです。通販にすればよかったでしょうか……。オーガストさん入魂の一本ということで、まったく心配していません。ただ、そこまで楽しみにもしていません。スゴク、タノシミデス。(いや、割と真面目な話、オーガストさんの学園モノって突き抜けた満足感より、いつでも何度でもプレイできるようなゆったりした安定感が魅力だと思っているので)


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予約分はこれでおしまいなのですが、もし追加で買うとしたらLiquidさんの『大催眠』。あとは、リバイバルものでF&Cさんから発売される『木漏れ日の並木道』。先日紹介した、私をロリ道に引きずり込みそうになった名作です。

komorebi
中里さくらちゃん(3歳)の魅力にK.O.されたい人はどうぞ。

10本以内に収まりそうですが、フルプライスが多いので出費は洒落にならんなぁ……という感じ。だいぶいろんな作品が延期してくれてこれですから、フツーに出ていたらどうなっていたか。考えるだけでも恐ろしいです。

さて、あとは無事に発売時間を迎えられることを祈りつつ。


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2013/01/24(木) 12:46:04

昨日のことになりますが、メールボックスにPCブランドのスタッフィング(クロスオーバー)さんからメールが。なにごとかと思ったら、『催眠遊戯』のアンケートはがきのお礼ということでした。

お礼の中身は「催眠誘導蛍火ドラマCD」。データ形式でいただけるということで、早速いただきました。ありがとうございます(。・x・)ゝ。どうやらバナーキャンペーンのものと同じ内容ですね。

過去のものと同じとはいえ、こうして何かリターンをいただけるとやっぱり張り合いがありますね! いや、別に何かものをくださいと言っているわけではありませんよ(笑)。「葉書読んでますよ」という反応だけでもあると、やっぱりモチベーションは全然変わります、というお話。こういう丁寧な対応には、本当に頭が下がります。思い切り凌辱ゲー作ってるブランドさんとは思えない……

あと、特典系といえば2/28発売予定『LOVESICK PUPPIES』の追加予約特典が発表されていました(公式)。「予約大感謝キャンペーン」と銘打って、複製色紙の配布を行なってくださるそうです。

lspキャンペーン
予約大感謝キャンペーン詳細。サンプル画像が眩しい。

しかし、このキャンペーンには2つほど注意点が……。

まず、配布が1/25からなくなり次第終了ということ。商品と同時に受取るパターンではありません。

そして、対象は店舗予約分だけということ。通販はNGみたいです。

問題は、他店舗の予約券でも色紙の引取が可能かどうか。たとえば、げっちゅ屋さんで予約してるけど近くに店舗が無いから、ソフマップさんで引き取らせてもらえるのかというところですが……まあ普通に考えたら無理でしょうね。ということは、事実上店頭予約分に近くなりそうです。

さすがにこれは、ゆず茶先生ならずとも「なんでやねん」とツッコミ入れたくなる内容。さすがに公式通販申し込んだ人には当日発送してもいいんじゃないかなぁと思うわけで。あと、最寄りのショップまで電車で1時間半とかいう場合もどうすんねんって話ですよね。しかも先着って。社会人置き去りモード。十分な数はご用意してくださってるのかしらん。

店舗限定ということはやはり、予約感謝というよりも、対象店舗(小売店)支援というか店頭でのコマーシャルをしてもらうためのキャンペーンというところなのでしょう。それは分かるし、発売延期したからテコ入れというのはあるのでしょうが、う〜む。

そこまで予約が集まっていないのでしょうか……。周りの評判聞いている限りそんなことはなさそうなんですけれども。あるいは逆で、予約集まりすぎて全員に行き渡るようにすると、とんでもないことになるとか? そっちの可能性もありそうですね。

そういえばパープルソフトウェアさんも、『しあわせ家族部』のときは「『描き下ろしB5下敷き』を商品購入時(通販の場合は発送時)に付属」と、全員配布だったんですよね。この手のキャンペーン対象変動の基準は本当によくわかりません。

実際問題ユーザー全員平等ってのは無理というのはわかるにしても、色紙みたいな「大物」であからさまな差をつけるとブランドイメージ的に大丈夫のかなとちょっと心配になったりもします。まあ、なんだかんだ言いながら私は安定のソフマップ店舗予約なので、遠慮無く頂きにあがるつもりではおりますが。このへんの事情は、ユーザー葉書がついていたらそちらに書いておこうと思います。

ってなわけで本日はこんなところで。なんかタイトルと全然違う話に後半脱線してしまいました……。

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2013/01/23(水) 21:39:32

なんか前回のセンター国語の記事がおもったより好評だったというか、明らかに普段と違う客層の方からの反響が大きかったので(しかもありがたいことに概ね好意的なご意見ばかり。本当に珍しい……)、取り急ぎ第二弾を記事にしました。

関連記事:「センター国語よ何処へ行く」(2013年1月21日)

リンク:河合塾2013年度大学入試センター試験速報

今回は、以前の(1/21)記事で述べた方法を用いて、実際に今年のセンターを解くとどんな感じになるのかというのをざっくり説明した内容です。なので、面倒でなければ本文と設問をご覧になってから見て頂けると、ありがたいです……というか、読まないとなにがなにやらわからないとは思います。

問1 漢字のため省略。

問2 正解は
傍線部の解釈問題。実際に選択肢を見ると、おおむね3パートに分けることが可能。ほとんどが「時期の説明」、「過去の鐔の説明」、「変化後のつばの説明」に対応しているので、そのあたりを本文から探そう、というふうに考えれば良いだろう。

正解の,魎霆爐箸垢襪函◆幔修榔仁の大乱以前には」(時期)、「富や権力を象徴する刀剣の拵の一部だったが」(過去の鐔の説明)、「命をかけた実戦のための有用性と、乱世においても自分を見失わずしたたかに生き抜くための精神性とが求められるようになった」(変化の内容)ってな具合である。

これは受験業界お得意の「二項対立」図式にぴたっと当てはまり、「過去-特権階級の標格(シンボル)」VS「変化後-実用本位」。

【時期】「鐔は応仁の大乱以前には」は 銑イ剖δ未如◆崑舁隶柄阿醗文紂廚箸い図式を落としている選択肢は無い。

【過去の鐔】どの説明も決定的な違いは無い。参考書によっては「美しさが重視とは書かれていない」(◆砲箸、「軽視されていたとは書かれていない」(ァ砲里茲Δ焚鮴發鬚弔韻詼椶あるかもしれないが、この手の解釈を「書かれていない」で落とすのはかなり危険。踏み込んだ解釈をした結果、「明確に正解ではないが、はっきり間違ってもいない」ようなラインに落ち着いている場合が多いためである。別の言い方をすれば、選択肢の主観的な判断を更に解答者の主観で判断すると、だいたいロクなことにならない。今回の場合、どの選択肢も「鐔は拵の一部で、装飾品(非実用)」というラインには乗っているので、誤答としないほうが良いだろう。

【変化後の鐔】ほとんどがこの部分でで選別できる。各選択肢ごとに全く違うことを言っているからである。それぞれ、具体的に確認して行こう。

選択肢
「平俗な装飾品としての手ごろさ」が誤り。意識変化後の鐔を「装飾品」と捉えようとしているが、本文には、「実用上、鐔という拵だけは省けない」とあるので、実用品。二項対立を意識していれば余裕。《構造の取り違え

選択肢
「手軽で生産性の高い簡素な形が鐔に求められるようになった」が誤り。「実用本位の堅牢な鉄鐔の製作が要求され」とあるが、ここで言われている「実用性」は「形」の議論ではない。一発で分かる通り、強度と材質の話。「生産性」の話や「簡素」か否かは触れられていないので、そちらでダメと判断するのは難しい(実用本位ということは、生産性が高く簡素である、との解釈も可能なため。「本文にないから誤り」は、本文に何らかの解釈を加えた結果その結論に行きついた場合もあるので、なるべく採用しない)。《論点の取り違え。あるいは、傍線部語句内容の取り違え

選択肢
「専門の鐔工の登場によって強度が向上してくると、乱世において(中略)安心感が求められるようになった」が誤り。因果関係が逆。安心が求められてから、鐔工が登場している。《構造(因果関係)の取り違え

選択肢
「武器全体の評価を決定づけるものとして注目」が誤り。「拵全体のうちの」一部であった鐔が、唯一の拵になったのだから、拵の全体とは言えるかもしれないが、その拵は武器の一要素なので、「武器全体」は言いすぎ。また、「戦いの場で士気を鼓舞する」も誤り。鐔が求められるのは精神性ではなく「実用」のためだし、「平常心を、秩序を、文化を探さねば……」とあるように、もしそこに精神性が宿っていても、それは「鼓舞」とは逆ベクトルのものである。《傍線部語句内容の取り違え


問3 正解は
傍線部の背景解釈。この場合は主に周囲の文章に注目する。

これも非常にわかりやすく二項対立の図式ができており、【戦国武士】仏教は「日常生活に糧を与えていた」もの(日常)。【現代】仏教は「高い宗教思想」、「難しい形而上学」、「葬式」(非日常)。また、「考えている限り、空漠たる問題だろう」VS「感受性のなかに居るのである」という一文から、この対立図式に「思考」(知)と「感覚」(身体)を含めていることも理解る。

選択肢
「仏教を戦国武士達の日常生活の糧となっていた思想と見なすのは軽率」が誤り。「日常生活に糧を与えていた仏教」に反する。二項対立を読めていない。《構造の取り違え

選択肢
出題側の意図としては、傍線部の「知的な遊び」を誤解した解答、ということになるのだろう。「むしろ知的な遊びに富むもの」が誤り。戦国武士にとっての仏教は「知」(理性)ではなく「実感」(身体)として受け止められるもの。《傍線部語句内容の取り違え

選択肢
「文献から仏教思想を学ぶ」、「説教琵琶を分析」が誤り。小林が主張しているのはあからさまに「感覚」(身体)の側。本文から分かる通り、「文献から」や「分析」は「知」に属する文言。二項対立を読めていない。《構造の取り違え

選択肢
この選択肢を「話にならない」と切りたくなるのだが、実は意外と何が間違っているかは説明しづらいハズ。なぜなら、「鐔工や戦国武士達が仏教思想を理解していた」というのはこの選択肢の言うとおり誤解(彼らは感じていた)だし、「仏教を葬式のためにあると決め付ける」のは「浅はか」(現代人的な)であるというところまで、小林が言っているとも考えられるから。つまりこの選択肢、パーツに区切った説明の一つ一つは、それほど外していない。

では、なにがおかしいのか。それは、説明同士の対応関係(つながり)だ。「鐔工や戦国武士達が仏教思想を理解していた」という思い込みと、「仏教を葬式のためにあると決め付ける」という思想との関係は、本文の論理構成によれば、「仏教を葬式のためにあると思っている」から「鐔工や戦国武士達が仏教思想を理解していたと思ってしまう」という、因果関係である。ところが選択肢はこれを、「同じくらい」という並列関係として捉えている。つまり、本文の論理構成を決定的に読み損なっているのである。ちょっとした言い換えミスなどでは断じて無い。《構造の取り違え

ついでにいえば、センター試験は私たちに、他の人の意見を読む時にはこの程度の論理構成は意識して読め、と言っているのだろう。


問4 正解は
これも、傍線そのものではなく周囲を分析する問題。選択肢は3パーツに分けられる。その3パーツがそれぞれ、「Aだったので(Aが前提にあって)」「Bになり」、「Cという結果を生んだ」に対応していることから、おきたことがらの「順番」が大きなポイントとして問われているのだな、ということがわかれば儲けもの。

選択肢
いくつか誤りはあるが、「常に鉄のみがその地金であり続けたことをたとえている」が一番わかり易いか。これは、本文にある「この基本の性質は失われない」を言い換えたものであることは、前後を読めばあきらかにわかる(というかその前ほとんど同じなのですぐ目にとまるはず)。そして、「この」の指す内容は「鉄」という素材の話ではなく、「装飾は、実用と手を握っている」という「性質」の話。《本文語句(指示語)内容の取り違え

前後関係の構造という読み方をするなら、結論は「地金の性質」ではなく「文様が巧緻になった」ことである、とも言えるが、今回の場合は単純に指示語で切るのが明らかに楽だったのでそちらにした。

選択肢
「刀剣の一部として鉄を鍛える」で切りたい。が、決定打があるかどうか……。探せば有りそうだが、それよりは「自然の美を表現」のほうが早そう。鐔の「透」には「鎌だとか斧だとか」も含まれている。「日常、誰にでも親しい物」であって、「自然」ではない。《本文語句内容の取り違え

選択肢
簡単に2つの誤りが見つかる。まず「鐔の素材に巧緻な装飾をほどこすことができるようになったため」は、因果関係がおかしい。本文には「様々な流派が出来て文様透がだんだん巧緻になっても」と書かれているので、因果関係というか前後関係が逆。《構造の取り違え

また、「生命力をより力強く表現」はおかしい。で既に述べたとおり、表現されているのは彫られたものの日常との親しさである。ただし、「親しさ」を「生命力」と呼ぶことができない……というのはただの主観的解釈なので、あまりとりたくない。客観的に何が違うかというと、「親しさ」は「人と物との関係」において生じる性質であるのに対し、「生命力」は「物」そのものの性質である、というところ。そのように判断できれば、だれも「恣意的な判断」だと文句はつけないだろう。《本文語句内容の取り違え


選択肢
「鐔が実用品として多く生産されるようになるにしたがって」がまずおかしい。「多く生産」という量的な話はしていない……と言いたいところなのだが、今回は「書いてない」では切らないという方針を採っているので避ける。また実際、「様々な流派が出来て……」の「様々」を思い切り拡大解釈した可能性もあるので、ここだけで却下するのは危険。

ポイントはおそらく、「刀匠や甲冑師といった人々の技量も上がり」、「硬い地金に彫り抜くことが可能になった」という選択肢の因果関係。本文の構成は、「彫や象嵌が発達」し(硬い地金の彫が可能になり)、「様々な流派が出来」て、「巧緻になった」(技量が上がった)である。明確に、前後関係が違う。《構造の取り違え

問5 (前回記事で解説したのでコピペ)
これは、まず「鶴丸透」を彫った主体が「地金を鍛えている人」なのだから、「武士」や「金工家達」としている△鉢を消去。い蓮◆崙せ爐靴真玄の子供の不幸な境遇が連想」されたのは鳥を見る前の話なので事象の前後関係が本文と逆になっている(そもそも連想されたのは子供じゃなくて「信玄」本人だと書いてあるので、そこで切っても良い)。残るのが,イ任垢、小林が見ているのは巣を守る鳥の姿ではなくて、飛び立っていく鳥の姿なのだから,鷲堙。と、こうやれば瞬コロ。

随筆的な心情なんか聞いてません。イ料択肢にある、「美を体現していることに感銘を受け」なんていう曖昧で主観的な部分を、センターは判断根拠にしてくれとは一言も言っていないと思うんです。

問6 疲れたので省略(爆)。一応私が提示してきたこの解き方だと、この手の表現・構成を問う問題のほうが直接的で相性が良いので、コツ掴めば楽に解けると思います。

というわけで、センター2013年現代文(評論)のぷち解説でした。わかり易さ重視のためにちょっと乱暴にまとめたり、説明端折った部分もあるので、ここどうなの……? とかご質問があればメールでもコメントでもお受けします。

また、これが唯一の解答方法でないのはもちろんなので、ここがおかしいとか、もっとこういう考えがあるんじゃないかとか、聞かせて頂けると勉強になって嬉しいです。

問題の小説が残ってますが、こっちも同じくらいロジカルに処理できますんで、また時間があるときにでも記事にしよう……と思っています。努力目標としては。実は結構書きたい記事たまってきてるんで、そっち優先するかも。

でも、どうでしょう。ここまでやって、まだ「今年のセンター国語はゴミクズ」というような話になるでしょうか。私としては、選択肢も傍線を引く場所も、非常によく考えられていて、受験生の知識で可能な「読解の技術」を要求していると思うのですけれども。少なくとも選択肢の判断に関しては、余計な知識よりも本文の忠実な読みのほうが求められている(もちろん本文読解に多少の知識は必要としても、そこまで内容に突っ込んだ知識は必要とされない)のだと思います。いや、受験生の国語力の無さを舐めすぎだと言われたらそれまでですが、それは受験国語の問題ではなくて受験生の教養? の問題なので、話がずれますから、スルー。

別に受験産業界批判が主な目的ではありませんが、ちょっとナナメからの見方をすると、受験生の平均点が落ちたときは学校側は責任とりたくないし、「悪問だった」と言うのが一番ラクですよね。特に今回は数学のほうで油断していたところからざっくざっく刺されたみたいですし。国語のほうは自分たちのやり方が正しいのに、大学入試センターが受験生の身の丈にあわない酷いことをした、というのが楽ちんなんだろうと思います。でも、そこで安易に「悪問」みたいなこと言っちゃうのはどうなのかな、と。「難問」、「難化」なら良いですけどね。実際難しくなってるでしょうし。

学校は「相手が悪かった」でいいかもしれませんがそれだと気の毒なのは受験生で、「ああ、これは悪問なんだ。じゃああんまり考えなくてもいいな」なんて思っちゃったら、少なくとも現行のテストで求められている部分には気付けないままなのではないでしょうか。結局、問題のせいにしたいところをぐっと踏みとどまって、「このテストで求められているのは何なんだろう」と考える先生とか教育機関なら、私はついていく価値があるのかなーと思います。それが私の書いたような内容ではなくても、そうやって理解を放棄しないことこそが、国語という「言語による伝達」を目指す教科の根底を流れる良心なのですから。

まあ今回は実践編なので、分析は別の日に回すことにしましょう。長々とお付き合い、ありがとうございました。

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2013/01/22(火) 21:49:38

2012年2chベストエロゲーの結果が発表されだしたようです。

投票者のみなさま、集計者のみなさま、おつかれさまでした。大変楽しませていただいています。ありがとうございます。

▼参考リンク
 ・エロゲネタ・業界板ベストエロゲー投票まとめwiki
 ・葱ベストエロゲ2012
 ・(資料)「萌えゲーアワード2012」結果

▼結果(トップ5)
評価の基準として各種の要素があるので明確に「これが1位」というのは出しづらいのですが、だいたい以下のような順位。データは「葱ベストエロゲ2012」さん調べのものより抜粋させていただいております。(2013年1月22日時点。データはここから更に調整が加わる場合もあります)

【得票数】
1位 はつゆきさくら(57)
2位 この大空に、翼をひろげて(57)
3位 月に寄りそう乙女の作法(49)
4位 黄雷のガクトゥーン 〜What a shining braves〜(45)
5位 DRACU-RIOT!(43)


【加点順】
1位 はつゆきさくら(57)
2位 黄雷のガクトゥーン 〜What a shining braves〜(56)
3位 VenusBlood -FRONTIER-(54)
4位 この大空に、翼をひろげて(44)
5位 月に寄りそう乙女の作法(37)


【コメント量】
1位 はつゆきさくら(32897)
2位 月に寄りそう乙女の作法(28587)
3位 VenusBlood -FRONTIER-(27549)
4位 この大空に、翼をひろげて(26709)
5位 黄雷のガクトゥーン 〜What a shining braves〜(23605)

【平均コメント】
1位 幼馴染と十年、夏(3002)
2位 Chaos Labyrinth −ケイオス・ラビリンス−(2342)
3位 超電激ストライカー(1739)
4位 ディバインハート カレン 〜姦墜洗脳の罠〜(1722)
5位 女装少年、家出中。(1440)

【最長コメント】
1位 幼馴染と十年、夏(5263)
2位 超電激ストライカー(3156)
3位 創刻のアテリアル(2909)
4位 はつゆきさくら(2908)
5位 あえて無視するキミとの未来 〜Relay broadcast〜(2754)

【その他データ】
83: ◆/xv9ou/msw :2013/01/20(日) 12:01:18.38 ID:D+GE8m64P
全投票者合計・2012年発売エロゲプレイ数:3825本
全投票者平均・2012年発売エロゲプレイ数:15.9本

全投票者合計・エロゲ歴:2210年
全投票者平均・エロゲ歴:9.3年

全投票者合計・ベストエロゲ投票参加回数:864回目
全投票者平均・ベストエロゲ投票参加回数:3.7回目

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《参考》2011年ベストエロゲデータ
139 : ◆/xv9ou/msw :2012/01/22(日) 10:27:29.60 ID:WZHTyoNPP
2011年ベストエロゲー投票の自由項目


全投票者合計・2011年発売エロゲプレイ数:5341本
全投票者平均・2011年発売エロゲプレイ数:14.1本


全投票者合計・エロゲ歴:3184年
全投票者平均・エロゲ歴:8.3年


全投票者合計・ベストエロゲ投票参加回数:1162回目
全投票者平均・ベストエロゲ投票参加回数:3.8回目

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▼コメント
ものすごく雑駁にいえば、各データはたとえば次のように読んで良いでしょう。

【得票数】…支持の広さ
【加点】…広く支持を集めたゲームの中で、深く支持されている作品
【コメント量】…広く支持を集めた中で、文章書くのが好きな人に好まれる作品
【平均コメント】…支持の深さ
【最長コメント】…支持の深さの中で、特に熱烈なファンがいる作品

これらのデータを組み合わせて、いろいろな考察ができます。たとえば、得票では5位だけど加点・コメント量ではトップ5から漏れている『DRACU-RIOT!』(加点9位、コメント量11位)は、考察や熱烈な思い入れにこだわらないライト層に受けがよかったのかな、とか。他にも、平均コメントでは上位なのに得点数や加点数では名前があがらない作品は、「一部コア層向け」のように見ていくことができるのでしょう。「得点」や要素別ポイントなどたくさんの要素がありますので、細かく見ると色々分析はできそうです。

細かい話が苦手なのでおおきな話をすると、ぱっと見でわかるのは、抜きゲーの少なさ

Lilith系作品も少ないし、私がイチオシの『操心術∞』なんて1票も入っていませんでした(´;ω;`)。8年間続いてきて、シリーズで合計6本出ている作品の「最終回」に1人のファンもいないってことはないと思うわけですが、そっち系のは漏れやすいということでしょう。得票の上位だと『VBF』くらいですか。

あと、ファンディスク系には厳しいのかな。「続編」という触れ込みになってはいますが『グリザイア』や、『マジ恋S』、『いろヒカ』あたりがわりと伸びず終いだったのは驚きました。

その他のわかりやすい傾向としては、やっぱある程度、ランキングをつける/見るのが好き=分析が好き、ということがあるのでしょうかね〜。シナリオ力の高いものが得票・加点の上位に入っているように見えます。また、コメントを読んでいる限り音楽・グラフィックといった演出面に触れられていることも多く、バランスの良い作品ほど上位に入りやすいのでしょう(一点突破の尖った作品より)。

2chベストの他の要素や、他のランキング(ソフ倫だけですが、『萌えゲーアワード』、各ショップの売上等)なんかと比較することでいろんなことがわかって面白そうです。

さて、上記の印象からすると、2012年は『はつゆきさくら』が強かった感じですか。そして、私が買ってないの『はつゆき』だけ。やってないのは『ガクトゥーン』がまだですけれど。

得票・加点の上位5本はほぼダンゴ。甲乙つけがたい激戦の年だったと言えましょう。もっともそれは別の視点から言えば、昨年度の『WHITE ALBUM2』のような、飛び抜けた作品がなかったということでもあります。

実際、昨年の得票数データを見てみると……。(参考

1位 WHITE ALBUM2 -closing chapter-(156)
2位 穢翼のユースティア(142)
3位 神採りアルケミーマイスター(123)
4位 グリザイアの果実 - LE FRUIT DE LA GRISAIA -(109)
5位 カミカゼ☆エクスプローラー!(102)

ということで、上位2つだけで2012年の5位まで全部あわせた数にならぶ票数を獲得しているようで、その圧倒的な熱気というか人気ぶりがうかがえます。少なくとも今年は、合計の票数が伸び悩む程度には盛り上がらなかったということかもしれません。

なお、投票数は投票者の平均エロゲー歴は昨年度が8.3年。データ的に「新規参入者はほとんどいないのではないか」と分析されていましたが、「(ベストエロゲへの)参加回数」のデータが3.8回目→3.7回とむしろ減少しているので、順当に考えればエロゲー歴はそこそこあるけど投稿初という人がながれこんだとか、大量のビギナーが入って去年一回だけ参加した人が今年は投票しなかった、みたいな感じだと思われます。

参加したことのない私が言うのもなんですが、伝統あるイベントですし、これからも新規参入者が増えて盛り上がることを祈っています。

▼思うこと
「萌えゲーアワード」についてはいろいろいいたいこともあるのでまた別途記事にすることにして、ちょっとだけ思うことを。

私は個人的に、こういうランキングは、あんまり自分のプレイの参考にはしないタイプです。というのも、本や漫画やエロゲーのように「慣れている」、ものについては自分の好みが結構うるさいほうだとわかっていて、その好みにあったものを探すからです。おすすめに従う場合も、顔の見えない「ランキング」より「誰が」勧めているかを重視する。推薦内容をどのくらい信頼するかも自分で判断できるし、それなら失敗しても諦めもつくから(2chベストエロゲーの場合は、詳細なコメントがついているのでそこから投票者の「顔」が見える場合もあって、そこは凄くいいなと思いました)。

けれど、別に匿名の集計ランキングが嫌いとかそういうわけでは全くありません。自分があまり参考にはしないというだけで、こういった結果を見たり感想を読むのは楽しいし、業界的な意味合いはあると思います。それは、私が「慣れないもの」を選ぶときは、たいていランキングや評判をチェックするからです。たとえば靴や服や、ヘッドフォンなどのように、こだわりはないけどある程度満足したい、外したくない……という時に、頼れるのは多くの人の意見だから。

そういう意味で、この手のランキングというのは「新しくエロゲーに入る人」にとっては良い羅針盤になるでしょうし、また「2chベストエロゲーで上位になった作品を1年遅れで楽しむ」というようなプレイスタイルも可能だと思う。売る側からしても、セールスポイントとしても売り出しやすくて良いと思います。実際店頭ポップに「2chベストエロゲー1位!」のような文句が踊っていることがありますし。

ただ、そうなるとやはりこの集計がどういう意味を持つのか、というのははっきりさせたほうが良い気もします。たとえば芥川賞や直木賞は、「純文学」、「大衆文学」のような名目上の分類に加えて、「選評委員」の権威によって賞の性質がはっきりと形作られています。

エロゲー界隈でも、「萌えゲーアワード」なら(いまは多少質が違いますが)「ソフ倫作品」という分類に加えて、「エロゲーを積極的に購入したうえに、わざわざ投票を行うような、貢献意欲の高いユーザー」が支持する作品である、という性質がはっきりしていて、言ってみれば、「メーカー買い」を中心にしている人には信頼性が高い賞という感がある。

では、2chベストエロゲーというのは、どういう人が読むと参考になるデータなのか。ことは、どういう層が投票しているのか(この結果は何を意味しているのか)ということと密接に関係しています。

単に「2ch読んでる人の好きなゲーム」というのは、陳述ではあるけれど説明ではありません。「ベストエロゲ」の結果の意味を考えて行くことが、この投票や、ひいてはエロゲー界全体の発展にとって重要なことだとは思うのですが、それはまた後日に譲ることにして、本日はこれでおしまいにいたします。お付き合い、ありがとうございました。

あ、ときどきお問い合わせいただく、先日書いた私のランキング、「2012年エロゲーランキング・第一回 −要素分解採点編−」(2013年1月2日記事)のほうも、そろそろ続きを書こうかなと思っています(あんな記事でもお読みいただいてありがとうございます)。なので、たぶん2月中になるとは思いますが、のんびりとお待ち頂けると幸いです。

というわけでまとまらない内容ですが、本日はこのへんで。

最後に、昨日書いたセンター試験の話は、ここでやめても誰からも文句はでないでしょうけど、近々続きは書きます。たぶん。

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