よい子わるい子ふつうの子

18禁PCゲームをメインに、ラノベや漫画についてもダラダラ話を書きます。長文多いです。

2012/02/22(水) 08:30:36

エロゲーしようよっ01
タイトル:『エロゲーしようよっ!』(HEAT-SOFT/2012年2月17日)
原画:七G/シナリオ:DEカモ
公式:http://www.heat-soft.com/eroge/
批評空間レビュー投稿:済 → ネタバレ無
定価:3800円
評価:B(A〜E)


批評空間様への感想を投稿しております。詳しい紹介・内容に興味がある方は、上記リンクから拙文をお読みください。こちらでは引用も含めつつ、もうちょっと突っ込んだ話をしようかと思います。以下、ネタバレと攻略を含むので閲覧ご注意ください。

▼攻略
由々花
選択肢1: 「あの由々花が……」
選択肢2: 「改めて見ると、けっこう……」
選択肢3: 「これは夢に違いない」
選択肢4: 「めぐりを引きはがす」
−−−−個別−−−−
選択肢5: どれを選んでも結果同じ。部屋でゲームやろうず。
選択肢6: どれを選んでも結果同じ。
選択肢7: 「行く」 → ED1 「行かない」 → ED2
選択肢8: (7で「行く」を選んだ場合のみ)どれを選んでも同じ。フルコース。

選択肢1: 「まわるがエロゲなんて信じられない」
選択肢2: 「わざわざ着替えたのか」
選択肢3: 「本気で言ってるのか?」
選択肢4: 「めぐりを引きはがす」
−−−−個別−−−−
選択肢5:「しない」 → ED1 「…………」 →ED2

選択肢1: 「ただでさえ問題児なめぐりが……」
選択肢2: 「わざわざ着替えたのか」
選択肢3: 「これは夢に違いない」
選択肢4: 「もう好きにすればいい……」
−−−−個別−−−−
選択肢5: 「そんなことはどうでもいい」 → ED1 「わかった」 →ED2

全26シーン(由々花10、まわる6、めぐり6、その他4)、うち各キャラED2はBADで凌辱色が強め。めぐりだけはヤンデレED。その他も凌辱色が強いものはあるが、イメージプレイ程度。
まずは攻略から、と思いましたがほとんどやるべきことも無かったです。今までの記事より、攻略を見やすくしてみたのですが、選択肢1以外関係あるのか謎。まあ、こうやったらEDに行けました、という報告ということでひとつ。

▼雑感
いやあ、面白かったです。二重の意味で。まず、単純にテキストとか設定が楽しかったです。もう一つは、読み込む楽しみがありました。構造が割と複雑かつ特殊(ユニーク)な形を取っていて、作品に深みを与えていたように思います。批評空間さんのほうでは後者にばかり注目したので、ここではまず前者から。

ヒロインとしては「リーゼロッテ(演技)」(気弱な自分を誤魔化す為に、リーゼロッテというエロゲーキャラのフリをしながら生活していた、と由々花が白状し、主人公が「俺はつい最近までリーゼロッテ(演技)とやらと喋ってたのか」と言います)がかわいい由々花が好きなんですが、キャラとしてはまわるちゃん最強ですね。

趣味のエロゲーが大貴(主人公)にバレてパニクる由々花を、「お得意のコスプレですよ。キャラクターになりきってしまえば、どんなセリフでもすぐに浮かんでくるはずです」と唆し、明らかにおかしな方向へぐいぐい誘導する腹黒さ。

「エロゲの主人公ならば、睡眠中に挿入。眠っている間に犯され、目覚めて混乱するヒロインを楽しむものです。あと、行為の後は放置、が基本でしょう。事後の世話など言語道断です。もっと人の心を捨ててください」という、凌辱ゲーに対する偏った理解(笑)。

そして、ひっくりかえって主人公を好きになったと気づいたときの態度の可愛さ。イロモノキャラではあるのですが、かなり良い味がでていました。台詞も、この娘のときが一番キレていた気がします。
まわる:「もう面倒なので、全裸で『抱いて!』と、お兄様の部屋に突撃してみてはいかがですか?」
由々花:「ただの痴女じゃない!」
まわる:「ご心配なく、すでに痴女です。ああ、いえ、恋する痴女ですね、タチの悪い。」
実の姉に対してこの暴言。更にこの後、「ご自覚がありませんでしたか? でしたらすぐ、その萌えとコスプレでピンク色な脳みそに叩き込んでください」とえぐり込むような追撃を叩き込みますが、実はこの辺こそがまわるの真骨頂という感じもします。相手のキャラの本質をうまく切り取って、絶妙に歪めて解釈する知的キャラ。こういう娘をつくれるライターさんの作品は、割と安心して、しかも楽しく読めます。

ただ、全体的に内容はちょっと予想外というか、こういう話になるとは思っていませんでした。最後、エロゲー関係ない方向に走るし、良いのかなあという気はしないでもありません。その辺は、批評空間のえびさんの感想が、困惑感をよく捉えておられます。

マトモな主人公と、エロゲーにどっぷりの三姉妹という構造。にもかかわらず、「こんなに好きって伝えたいAVG」というジャンル表記。加えて「三次元 (リアル) を侵食するエロゲッ娘たちに、主人公は打ち勝つことができるのか」というアオリ文句などから、恋愛による壮絶な現実からの撤退戦、あるいは頽落した現実の立て直しのどちらかを想像した人は多いのではないでしょうか。私の場合は、主人公の大貴くんがエロゲーにどっぷりズブズブはめられていく姿を予想していた(体験版の構成だとそんな感じでした)のですが、その予想は、斜め方向に裏切られました。

批評空間様のレビューで書いたのですが、この作品は完全にエロゲー的世界で完結しています。外側なんて、無かった(笑)。けれど、登場人物たちの意識にはメタ的な部分があります。

「メタ―ベタ」という二項対立を使うとちょっと分かりにくいかもしれないのですが、要するにヒロインたちが自覚しているレベルでのエロゲー性(自分たちはエロゲーのキャラを演じている)と、無自覚なエロゲー性(実際に自分たちが作られたエロゲーのキャラであるということ)が分かれて描かれている、ということです。普通、メタの視点(自分はエロゲーキャラである=演じている)はユーザーの視点とセットで導入されるのですが、本作ではユーザーを排除したこの世界の中でそれが成立してしまっている。

つまり、由々花たち三姉妹は皆、自覚的にエロゲーのキャラという役割を果たしながら、ベタな部分ではその演じているのとは別のキャラクター性を持っているわけです。これはたとえば、自分がゲーム機であるというメタ的な自覚を持ちながら、自分が創作物であるということは理解していない(ベタのレベルでは描かれている世界から抜けだしていない)ネプチューヌのような擬人化キャラの類型に、かなり近いのではないか、と考えたわけです。そんなわけで、エロゲーのジャンルを擬人化した作品に近いのではないか、という話を書きました(パッケ絵で三人が持ってるエロゲーのディスクが、実は彼女たちの正体なのではないかと!)。

もっともたぶんこの辺り、制作者の側の思惑とは違うのではないかな、と思います。というのは、パッケージ版に入っている「キャラクター設定資料集」に「初期設定はこうだった!」というコーナーがあるのですが、そこに次のように書かれているからです。

真面目の見えて(原文ママ)エロゲ漬けの姉&純真な妹の組み合わせでエロエロ&性に疎い女の子をエロゲ色に……という企画のはずだったのですがいつのまにか全員エロゲーマーになっていました。

当初は設定も全然違い、めぐりも不在だったようです。最初からコンセプトが立っていたわけではなかったという一事では根拠としてやや薄弱ですが、自分がわりと特殊な見方をしたという意識はある。

ただ、無理筋で読んだつもりはありません。感想に書いたのは、作品から取り出せる内容を取り出した結果、そう読めた、ということ。こんな話だったら面白かったのに、という妄想を書いたつもりは無い。何度か申し上げてきたように、制作者の意図とは別のところで作品というのは読みうるというのが私の立場ですので、その限りでの妥当性はあると思っています。

では結局私の読み筋でいくと、この作品、オチは何だったの、というのがちょっと問題かなとは思うので、最後にそれだけ補足しておきます。

本作に出てくるヒロイン=エロゲーのジャンルのほうは三種類なのに、肝心の主人公は純愛系主人公の大貴ただ一人。この話はつまり、争奪戦になったとき、どうやって自分の土俵に引きずり込むか……という勝負だったわけです。作品世界は萌え系の舞台なので、萌え純愛作品に凌辱系のヒロインやらヤンデレさんやらが出てきて、主人公を取り合う。その中で、萌えと凌辱とヤンデレの同じ部分と違うところとが輪郭を取っていく。そんな作品だったのではないでしょうか。

試みが成功したか否かはここでは問いませんが、そのように読んで、とても斬新かつ面白い、そして今後もっと掘り下げた内容を期待したくなる作品だなあ、と思ったのでした。感想に書いたとおり弱点が無いわけではなく、その辺もっとうまく作られていれば、と残念なことも多々あったのですが、ともあれ、楽しい作品と出会えて良かった。スタッフの皆さん、ありがとうございました。

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